研究課題/領域番号 |
07405045
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 東京工芸大学 |
研究代表者 |
安部 明廣 東京工芸大学, 工学部, 教授 (50114848)
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研究分担者 |
平岡 一幸 東京工芸大学, 工学部, 講師 (50267530)
植松 淑子 東京工芸大学, 工学部, 教授 (80064260)
今井 淑夫 Tokyo Institute of Technlogy Department of Organic Materials Professor (50016557)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
25,200千円 (直接経費: 25,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 23,000千円 (直接経費: 23,000千円)
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キーワード | 主鎖型液晶 / 秩序-無秩序転移 / PVT特性 / スペーサー・コンホメーション / コンホメーション・エントロピー / 二成分混合系相図 / 定容転移エントロピー / キラル・スペーサー / エーテル型液晶 / カーボネート型液晶 |
研究概要 |
我々は本研究において、液晶の異方相一等方相転移における熱力学量の変化を分子配向や鎖状部分のコンホメーションなど、分子レベルの情報と関連付けて解釈することによって、まず実験的に一軸異方性場において鎖状部分の果たす熱力学的役割を定量的に明らかにすることを試みた。まず分子量に分布がなく、これまでの研究で液晶、等方相状態のコンホメーションの確定している二量体液晶から着手した。各種熱力学量が重合度に対し比較的早く飽和することが知られているので、二量体に続いて三量体液晶の転移挙動を検討し、ほぼ予定通り研究を完了した。これまでに得られた主鎖型液晶に関する知見を要約すると以下の通りである。 1.二成分混合系の解析により、二、三量体は分子全体の配向秩序としては単量体より高いが、両端メソゲンの配向秩序は単量体よりも低くなっていることが分かった。スペーサーとメソゲンの結合角が液晶の配向挙動に深く関わっていることが明らかになった。 2.Floryの状態方程式を用いて自由体積を推定すると、NI転移点近傍の等方相で約20%である。この場合、分子のコア体積は、室温の密度から算出した結晶体積とほぼ同等であった。なお、NI転移点における体積変化は結晶から等方性融解に到るまでの全変化の約10〜20%であった。 3.スペーサーのコンホメーション変化がNI転移におけるエントロピー変化の主要な因子である。二量体、三量体液晶の解析の結果、スペーサーの化学構造がメソゲンの配向挙動のみではなく、その熱力学的性質にも大きな影響をもつことが明らかになった。この結果は、広く主鎖型液晶一般に通じるものであり、今後スペーサーの設計により主鎖型高分子液晶の性質が修飾できることを示唆している。
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