研究課題/領域番号 |
07406019
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小沼 操 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (70109510)
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研究分担者 |
大橋 和彦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (90250498)
杉本 千尋 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90231373)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
1998年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1997年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1996年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | タイレリア原虫 / ピロプラズム / 免疫回避 / 寄生体遺伝子型 / マダニ / 原虫表面抗原遺伝子 / ダニ体内の有性生殖 / 持続感染 / 抗原多型性 / バキュロウィルス発現系 / 表面抗原 / PCR |
研究概要 |
Theileria sergentiのピロプラズマ主要表面抗原(p32)には池田型(I-type)、千歳型(C-type)、オーストラリア型(B-type)の大きく3種に大別されることが、今までの研究から明らかにされている。世界各国に分布する良性タイレリア原虫株には、この3種の表面抗原型を持つ原虫が混在しており、原虫の生存にとって、表面抗原の多様性が何らかの重要な意義を持っていると考えられている。各型間では抗原性に違いが見られることから、原虫集団の置き換わりによる抗原変換あるいは遺伝子構造の変化による抗原変異が免疫回避と何らかの関連を持っていることが推測された。我が国の牛小型ピロプラズマ感染症の疫学解析、ワクチン開発の上で、はたして表面抗原遺伝子に変異が起こるのか、また感染個体内にどの程度の表面抗原多様性を持つ集団が存在するのかなどを明らかにすることが極めて重要である。 この研究を通じ、無性生殖で増える赤内型原虫は牛体内では免疫プレッシャーはあるが原虫の表面抗原が変異をおこし免疫回避をしているとは考えにくいことが明らかとなった。原虫はダニ体内では有性生殖をおこし増殖する。ダニ体内で有性生殖で増殖する間に遺伝的に異なった原虫間で組換え等により原虫の遺伝的多型性が生ずると考えられる。このダニ体内での原虫遺伝子の組換え等を証明するためT.sergentiの染色体解析と原虫既知遺伝子の染色体上での位置を決定した。これにより生物学的にクローン化した遺伝的に異なる原虫(C型とI型)が同一ダニ体内で有性生殖の間に染色体の組換えが起こるか否か実験することが可能となった。本研究によりダニ媒介性病原体の多型性獲得の機序、それによる免疫回避について分子レベルでの解析を可能にした。
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