研究課題/領域番号 |
07407023
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中畑 龍俊 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20110744)
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研究分担者 |
渡辺 すみ子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60240735)
辻 浩一郎 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50179991)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
26,500千円 (直接経費: 26,500千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1995年度: 20,400千円 (直接経費: 20,400千円)
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キーワード | gp130 / c-kit / EPOR / 可溶性IL-6受容体(sIL-6R) / 赤芽球分化 / GATA-1 / STAT5 / HIML / HML / 巨核球分化 / c-Kit / HML-1 / 造血幹細胞 / 増殖・分化 / 赤芽球造血 / soluble Il-6 receptor(sIL-6R) / stem cell factor(SCF) |
研究概要 |
FACSを用いた解析により、ヒトCD34+細胞はIL-6R+gp130+細胞とIL-6R+gp130-細胞に分類され、多能性造血前駆細胞や赤芽球系前駆細胞は後者に含まれることが明らかとなった。IL-6と可溶性IL-6受容体(sIL-6R)を用いたgp130の直接活性化により、stem cell factor(SCF)あるいはflk2/flt3 ligand存在下に、CD34+IL-6R+gp130-細胞から赤血球がEPO非存在下でも産生できることが確認された。c-kitとgp130の活性化による赤芽球や赤血球の産生は、抗L-6R抗体、抗gp130抗体で完全に抑制されるが抗EPO抗体の影響は全く受けないことから、EPOによる赤血球産生とは完全に独立したシステムであることが明らかとなった。われわれが最近樹立したヒト白血病細胞株HML-1細胞を用いても、gp130とc-kit受容体を活性化することにより赤芽球系への分化が見られた。赤芽球系細胞の増殖、分化、成熟において、両システムの細胞内シグナル伝達機構が同じであるのか、異なる細胞内シグナル伝達機構を使っても赤血球まで分化成熟させうるのか明らかにするため、赤芽球分化に関与するシグナル伝達分子、転写因子等について解析した。その結果SCFとgp130の同時活性化において赤芽球系遺伝子の発現に重要な転写因子GATA-1の発現がmRNAレベルで増強するが、それぞれ単独では増強しないこと、SCFはGATA-1非依存的にEPORの発現を促進し、限定的に初期の赤芽球分化を誘導することを示唆する結果を得た。またEPO刺激によってリン酸化を受けることが知られているSTAT5についても、SCFとgp130の同時活性化で弱くリン酸化を受けることが認められた。以上より程度の差は有るがEPO及びSCFとgp130の同時刺激系の両方で、共通の転写因子・シグナル伝達分子が使用されることが示唆された。
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