研究課題/領域番号 |
07407032
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
林 衆治 名古屋大学, 医学部, 助手 (30218573)
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研究分担者 |
岡田 秀親 (岡田 英親) 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (30160683)
横山 逸男 名古屋大学, 医学部, 講師 (60240206)
高木 弘 名古屋大学, 医学部, 教授 (70154755)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
1996年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1995年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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キーワード | 異種移植 / 遺伝子治療 / 補体制御因子 / 異種抗原 / アデノウイルスベクター / リボザイム |
研究概要 |
我々は、これまでの研究で、レトロウイルスベクターを用いて、ヒト補体制御因子(DAF及びHRF20)遺伝子を異種培養細胞へ導入することにより、異種免疫反応が著明に抑制されることを報告してきた。これらの結果を基に、本研究において、アデノウイルスベクターを用いて、ヒト補体制御因子(DAF及びHRF20)遺伝子を、異種臓器(マウス及びブタ)へ導入した。アデノウイルスベクターを用いた遺伝子導入により、マウス及びブタの肝臓で、導入遺伝子は、高率に発現した。特にブタ肝臓では、血管内皮細胞において、著明な発現を認めた。また、これらの遺伝子導入臓器に対して、ヒト血清を静注することにより、ヒトC3、C9及びIgG、IgMの沈着は著明に抑制されることが証明された。最近主要異種抗原としてGALαGALが同定され、その誘導酵素として、α(1.3)galactosyl transferase (α1.3GT)が同定されてきている。また遺伝子発現を抑制する手段として、アンチセンスリボザイムの有用性が報告されてきている。我々は、α1.3GTのメッセンジャーRNAの遺伝子配列で、GUCをコードする部分を含む、40bpのアンチセンスリボザイムを作成し、これを、ショットガンタイプのリボザイムベクターに導入し、そのベクターを用いて、リボザイム導入アデノウイルスベクターを作成した。このリバボイム導入アデノウイルスベクターを用いて、α1.3GTの発現抑制を検討したところ、in vitroで、GALαGALの発現の抑制が確認できた。次に、α1.3GTの発現を抑制する、もう一つの方法として、α(1.2)fucosyltransferase (α1.2FT)の遺伝子導入を行った。in vitroの結果では、α1.2FTの遺伝子導入により、GALαGAL抗原の発現は著明によってされ、またこれと比例して、補体依存性細胞障害活性は抑制された。超急性拒絶反応後に生ずる、遅延性拒絶反応(delayed-typed rejection)のメカニズムとして、endothelial activation が注目されている。我々は、endothelial activationを抑制する方法として、tissue plasminogen activator (TPA)及びinterleukin 10 (IL10)の遺伝子をアデノウイルスベクターを用いて導入することによりその効果を検討した。ラット虚血再灌流モデルを用いて、TPA及びIL10遺伝子導入を、肝臓に行ったところ、障害は著明に抑制された。また、これに伴いTNFαの発生も抑制された。遅延性拒絶反応の後には、同種臓器移植と同じタイプの急性拒絶反応が出現すると考えられている。我々は、リンパ球活性化において重要な役割を果たす、CD28-B7のシグナル伝達を抑制するCTLA41gに注目した。CTLA41g遺伝子をアデノウイルスベクターを用いて、ラット肝臓へ導入したところ、ラット肝臓における遺伝子発現期間は、10倍以上に延長した。CTLA41g遺伝子を導入した肝臓を同所性に同種移植を行ったところ、この肝臓の生着は、著明に延長した。
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