研究課題/領域番号 |
07407034
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
北島 政樹 (北島 正樹) 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90112672)
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研究分担者 |
松島 綱治 (松島 鋼治 / 松島 網治) 金沢大学がん研究所, 薬理部, 教授 (50222427)
若林 剛 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50175064)
島津 元秀 (島津 元英) 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70124948)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
1996年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1995年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
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キーワード | 肝移植 / 再灌流障害 / 抗サイトカイン療法 / サイトカイン / 生体顕微鏡 / 微少循環障害 / 活性酸素 / IL-8 / 微小循環障害 / 活性酵素 |
研究概要 |
1.肝温阻血-再灌流障害モデルを用いて、肝組織からのIL-1とTNFの産生と肝から流出する好中球が生成する活性酸素および肝組織障害の経時的変化を検討した。活性酸素の生成およびIL-1とTNFの産生は再灌流後に最大となり、肝組織障害はやはり再灌流180分で最も著しかった。しかし、IL-1raを阻血前に前投与すると肝組織障害は著明に抑制され、さらに興味深いことに肝組織からTNF産生も減少した。また、好中球からの活性酸素生成も、IL-1raの前投与により著しく抑制された。これらのことより、肝虚血-再灌流障害にIL-1の関与する系が存圧することが示唆され、さらに肝虚血-再灌流による好中球の活性化にIL-1が関与していることが示された。 2.ウサギにエンドトキシンを投与するモデルで抗IL-8抗体を前投与すると、エンドトキシンによる血圧低下、呼吸数増加、尿量減少が改善し、血中IL-1β上昇の抑制と末梢血の活性酸素生成能の抑制が認められ、7日間生存率が有意に上昇した。これらのことより、炎症性サイトカインが互いに作用しながら組織・臓器に好中球を動員し、また血管内凝固能の亢進をもたらし微小循環障害から臓器障害を惹起する機序の存在が示唆された。 3.ウサギの肝虚血-再灌流モデルでは抗IL-8抗体の前投与により経時的に増加する類洞璧に膠著する白血球数と障害肝細胞数が著明に減少した。 以上の実験より明らかなように、炎症性サイトカインであるIL-1、TNF、IL-8は、好中球-内皮の相互作用あるいは血管内凝固能の亢進を介して肝微小循環障害から臓器障害を惹起する。したがって、炎症性サイトカインを抑制する手段、抗サイトカイン療法が移植肝の再灌流障害を防ぐ有効な治療法になる可能性が示唆された。
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