研究課題/領域番号 |
07407035
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山岡 義生 京都大学, 医学研究科, 教授 (90089102)
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研究分担者 |
山本 雄造 京都大学, 医学研究科, 助手 (70281730)
坂井 義治 京都大学, 医学研究科, 助手 (60273455)
尾崎 信弘 京都大学, 医学研究科, 助手 (50211818)
猪飼 伊和夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (60263084)
田中 明 京都大学, 医学研究科, 講師 (00240820)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
21,400千円 (直接経費: 21,400千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 20,100千円 (直接経費: 20,100千円)
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キーワード | 体外肝切除 / 拡大肝切除 / 人工血管 / 熱ショックタンパク / 肝温阻血耐性 / 障害肝保護 / 脂肪肝 / ストレス応答 / 対外肝切除 / 障害肝 / フリーラジカル / 対外抗癌療法 / 四塩化炭素 |
研究概要 |
坦癌肝区域のNon-touch isolationによる残肝の体外摘出と坦癌区域の摘出、残肝の再移植に伴う手術手技の開発に関しては下大静脈の代用である人工血管と肝静脈の再建法に数々の工夫が要求された。Gore-Tex人工血管の側壁への直接肝静脈断端吻合が静脈流出、また、移植肝の解剖学的安定性において最適であった。肝動脈の再建は動物実験レベルで問題を生じる十分な吻合径と流量の確保、吻合時間の短縮の点で、脾動脈の末梢側を使用し、血管吻合クリップによるマイクロ吻合により開存率の向上がえられた。術中、術後に生じる血液凝固系異常が通常の肝切除と比して極めて高率に生じ、もう一つの解決課題であったが、elastase活性が極端に動くことより手術中よりDIC機転のtriggerを引かないように予防的にprotease inhibitorを持続投与し、再移植後の出血制御が極めて良好となった。このようにして急性期の侵襲を克服し、術後10日以上の生存を得られるようになった。今後は複雑な手術手技と人工血管使用に基づく長期成績改善のためには感染制御の問題を残している。障害肝の肝保存研究に関しては、stress responseを利用した生体自己防御能activationによる方法が有望であり、本研究では熱ショック蛋白(HSP)をあらかじめ肝細胞内に誘導しておくことにより肝温阻血再潅流障害に対して優れた保護効果を得ることができることを実証した。正常肝においては致死率50%の温阻血による障害を95%以上に改善でき、再潅流後の組織障害、エネルギー回復率も改善された。この効果は熱ショックによるHSP誘導のみでなく、短時間の虚血処置等によるHSPの誘導でも再現可能であった。また、実際の障害肝である四塩化炭素による肝線維症においても90%以上に、脂肪肝においては、33%の生存率を87%に向上させることができた。
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