研究課題/領域番号 |
07407066
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 恒敏 東北大学, 医学部, 教授 (90004746)
|
研究分担者 |
八木 秀樹 東北大学, 医学部, 助手 (40250740)
中村 雅典 東北大学, 医学部, 助教授 (50180394)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
|
キーワード | 胸腺 / 胸腺リンパ球 / 分化 / 選択 / クローン排除 / 微小環境 / アポトーシス / 細胞死 |
研究概要 |
「胸腺リンパ球の分化・選択・クローン排除の微小環境」を終了するに当たり、このプロジェクトを通して次のような結論を得た。 1.クローン排除が起こると考えられる胸腺や、親和性成熱過程があるリンパ節胚中心で見られる比較的大量のリンパ球の細胞死はアポトーシスによらない。細胞死の主な機構と考えられるアポトーシスは少なくとも胸腺リンパ節胚中心では主要な細胞死機構ではないということが判明した。そこではpyknosis(ピクノ-シス)により細胞が死んでおり、胸腺リンパ節組織中ではクローン排除の考えの見直しが必要となった。2.ステロイド投与後に起きる大量・激甚な細胞死はアポトーシスと考えられてきたが、やはりアポトーシスによらないことが証明された。in vivoでの細胞死は見直しを迫られている。3.セルソーターで分別採取した胸腺リンパ球は各々の細胞群によって大きく形態が異なることが判明した。我々は少なくとも5種類の異なった細胞群に見出した。この発見は今後、電子顕微鏡を利用した胸腺リンパ球の組織中での分化の解析に大きく貢献するものと考えられた。4.胸腺上皮細胞をアロの胸腺に注入すると実際に寛容が成立した。しかし、リンパ球はアロ認識能を失ってはおらず、生体では抑制された状態であることが判明し、これまでのクローン排除の機構が成立していないことが証明される形となった。上皮細胞がどのような抑制機構を誘導するのか、現時点では解明されていない。5.胸腺マクロファージには、食作用を示す皮質の大型樹状マクロファージ亜群と食作用を全く示さない髄質球形マクロファージ亜群とが存在することが明らかとなった。胸腺内での機能的、また、部位によるマクロファージの差異はあまり報告がない。これら亜群は胸腺リンパ球の分化に対する機能にも大きな相違があると考えられ、胸腺微小環境を考える上でも、重要な課題が新たに発見されたと言える。
|