研究課題/領域番号 |
07408019
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
津田 基之 姫路工業大学, 理学部, 教授 (60045458)
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研究分担者 |
中川 将司 姫路工業大学, 理学部, 助手 (00212085)
岩佐 達郎 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (00133926)
吉川 知志 姫路工業大学, 理学部, 助手 (90244681)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
37,700千円 (直接経費: 37,700千円)
1998年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1997年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1996年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1995年度: 23,200千円 (直接経費: 23,200千円)
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キーワード | ホヤ幼生 / 脳 / 走光性 / ロドプシン / 生物時計 / Gタンパク質 / GnRH / 生殖 / 情報伝達分子 / 視覚機能 / 神経回路網 / 膜電位 / 細胞系譜 |
研究概要 |
ホヤはふ化後10時間程度でオタマジャクシ型幼生として海中を遊泳し、水面に浮上した後、海底に向かい変態する。本研究ではふ化後変態までの幼生の光に対する行動を動画像解析装置で解析した。その結果、孵化してから3時間までは光に関係無く水面方向への遊泳行動を示すが、4時間以降は光照射後、暗刺激で遊泳行動を示すことが明らかになった。明暗刺激による遊泳速度はふ化後8時間で最高値に達し、その後着生・変態により静止する。ホヤ幼生の光行動の作用スペクトルを測定したところ視物質ロドプシンの吸収スペクトルと一致した。さらにレチナール蛋白質イメージング法で幼生を調べたところ、単眼にレチナールタンパク質の局在を見出した。これらの結果からホヤ幼生の行動は眼点のレチナールタンパク質により駆動されることが明らかになった。 ホヤは産卵期になると、日の出の一定時間後に放精・放卵をする。このことは生殖に関する生物時計が光に駆動されることを示している。レチナールタンパク質イメージング法で頭神経節のホールマウント、切片における局在を調べたところ、頭神経節の付け根の表皮にレチナールタンパク質が存在することが明らかとなった。幾つかのロドプシン抗体との交差反応を調べたところ、タコロドプシン抗体が頭神経節のレチナールタンパク質と反応することを見出した。この抗体を用いて、免疫組織科学的手法で頭神経節のにおけるロドプシンの分布を調べたところ、抗体陽性細胞が既に調べたレチナールタンパク質イメージング法の結果と一致した。 脳で生殖に関与するホルモンは生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)である。ヒトのGnRH抗体を用いてホヤの頭神経節で交差反応を示す細胞を調べたところ陽性細胞が広く分布していることを明らかとなった。頭神経節を電気生理学的手法で調べたところ、レチナールタンパク質を持った光る受容細胞がGnRHのペースメーカー電流を調節していることが明らかとなった。
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