研究課題/領域番号 |
07408024
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
遠山 正彌 大阪大学, 医学部, 教授 (40028593)
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研究分担者 |
金銅 英二 兵庫医科大学, 講師 (50273636)
和中 明生 福島県立医科大学, 教授 (90210989)
島田 昌一 大阪大学, 医学部, 助教授 (20216063)
古山 達雄 大阪大学, 医学部, 助手 (20238702)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
35,200千円 (直接経費: 35,200千円)
1997年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1996年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1995年度: 21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
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キーワード | 神経細胞死 / 新規ペプチドトランスポーター / PHT1 / 亜鉛トランスポーター / オスモライトトランスポーター / 浸透圧 / オスモライト / グルタミン酸 / 防御機構 / トランスポーター |
研究概要 |
神経細胞死に関連して発現する遺伝子.蛋白群をディファレンシャルディスプレイ法を用いて検索した。実験的に脳浮腫を引き起こさせたマウス大脳皮質より新規の遺伝子が単離された。種々の検索の結果、この蛋白は世界で初めて見いだされた脳特異的新規ペプチドトランスポーター(PT)であることが判明した。このPTは膜12回貫通型で、温度依存性、プロトン依存性であった。さらにこのPTはヒスチジンを特異的に取り込み、その取り込みはジペプチドやトリペプチドで阻害された。脳では神経細胞とグリア細胞の両者に発現している。我々はこのPTをペプチド/ヒスチジン トランスポーター(PHT)1と名づけた。PHT1はシナプス間隙においてペプチデ-スで断片化されたジ-あるいはトリペプチドをプレ側に取り込み、再び、ペプチドの材料として再利用するための働きや、脳浮腫時に神経細胞を細胞死から守るために、ペプチド断片をオスモライトとして取り込み、細胞内外の浸透圧維持に関与していると思われる。我々は一過性虚血を負荷された砂ネズミ海馬より亜鉛トランスポーター1型(ZnT1)遺伝子を単離した。この遺伝子は一過性に虚血を負荷された海馬CA1錐体細胞内に24時間から3日後まで上昇する。術後1週間ではCA1錐体細胞の消失とともに、ZnT1遺伝子の発現は消失する。しかしZnT1自体の蛋白は発現しない。培地に亜鉛を加えると神経細胞は亜鉛を取り込み死にいたる。この細胞にZnT1蛋白を発現させると神経細胞は死なない。一過性虚血を引き起こした海馬CA1では亜鉛の集積が起こり海馬CA1細胞は亜鉛を取り込む。CA1細胞は取り込んだ亜鉛を細胞外の排除するためにZnT1亜鉛を発現させるが、蛋白にまでは翻訳されないので、その機能が発揮できず、死に至る。さらに本研究ではオスモライトトランスポーターが脳浮腫による神経細胞死を防ぐ働きがあることをも、併せて明らかとした。
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