研究課題/領域番号 |
07409010
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 奈良国立文化財研究所 |
研究代表者 |
黒崎 直 奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 室長 (60000494)
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研究分担者 |
花谷 浩 奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 主任研究官 (70172947)
深澤 芳樹 奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 主任研究官 (40156740)
橋本 義則 山口大学, 人文学部, 助教授 (60164802)
藤田 盟児 奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 研究員 (20249973)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
16,600千円 (直接経費: 16,600千円)
1997年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1996年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1995年度: 9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
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キーワード | トイレ / 寄生虫卵 / 籌木 / 御厠殿と御樋殿 / 溲瓶 / 人糞肥料 / ギブサイト / 出産儀礼 / 寄生虫 / 人糞利用 / 発掘 / トイレ遺構 / 便所 / 衛生 / 土壌 / 遺構 |
研究概要 |
本研究は、発掘された古代・中世のトイレ遺構を対象としながら、寄生虫学、花粉学、動物学、土壌学などの自然科学分野と、考古学、文献史学、建築史学、民俗学などの人文科学分野とが共同して検討を加えようとする総合研究である。 全国数十例のトイレ遺構の事例を収集してその特色と普遍性を抽出するとともに、過去における発掘事例の見通しをもおこなった。そして、土壌及び寄生虫卵分析の成果と課題を整理するとともに、それによらないトイレ遺構の特定方法を検討した。 トイレ遺構から派生する諸問題は多岐にわたるが、そのうち「人糞肥料の利用」や「居住区内におけるトイレの位置とその上屋構造」「中世におけるトイレ遺構の変遷過程」「平安時代におけるトイレ及び便器の名称」「古墳時代の水洗トイレ遺構の性格」などについて検討を加えた。特に肥料の点については、籌木が出土しなくなる12世紀末頃を境に、人糞肥料の利用が本格化した可能性が指摘できそうであり、便器等の呼称については平安時代に限ってみても実に様々な名称が抽出できた。また、古墳時代の特殊な水洗トイレ遺構は、寄生虫卵分析と民俗学の成果を援用しながら、「出産儀礼」に伴う遺構の可能性を想定した。そしてさらには、土器の内面等に付着する白色物質が尿由来の物質である可能性を追求し、移動式トイレの一端を明らかにするなどの成果があった。 またこの他、トイレ遺構の展示方法やマスコミ報道についても検討を加えるなど、本研究報告は、自然科学と人文科学とが共同して行ったトイレ遺構の総合的研究成果であり、永らく陽の目をみなかったトイレ遺構の持つ歴史的文化的な価値を掘り起こすことができた。
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