研究課題/領域番号 |
07453012
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
千田 純一 名古屋大学, 経済学部, 教授 (80022458)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ナロウバンク / コアバンク / ユニバーサルバンク / 金融持株会社 / 金融リスク / 決済システム / 預金保険 / シカゴ・プラン / 純粋銀行 / 日本版ビックバン / 電子マネー / ナロウ・バンク / コア・バンク / 法人分離主義 / ファイア・ウオール |
研究概要 |
わが国の金融機関は、金融環境の激しい変化のなかでリストラを図っているが、それは金融リスクの増大とリスク管理の失敗という大きな困難に直面している。本研究では、こうした状況下ですすむ日本版ビッグバンを視野に入れて、下記のような金融機関のリストラとリスク管理の検討と展望、さらに若干の提案を行った。 (1)金融機関はリスク管理の技法と体制を充実し、リスク管理の徹底を図ると同時に、監督当局においてもディスクロージャーの充実、時価主義会計とリスク対応的な預金保険料の導入、自己資本規制の充実、破綻処理制度の整備などを推進する必要がある。 (2)決済リスクの累積を回避するため、ネッティング、キャップ制などの仕組みや、中央銀行の最後の貸し手機能の改革などを引き続き検討していく必要がある。 (3)上記のような対応を図ることと並んで、価格、金利、為替などの変動に対応するデリバティブなどの高度の金融取引が盛んになる中で、当局の金融検査・監督によるリスク管理の限界を認識し、金融の自由化・グローバル化・情報化と金融システムの安定性とが両立するような貨幣・銀行制度を考えることが必要となっている。そうした要請に応えるものとして、ナロウバンク、コアバンクの提案が注目さるべきである。 (4)ナロウバンク構想などの実現のためには、シカゴプランの100%貨幣構想に学ぶべきものが多い。また、わが国の郵便貯金はその運用先が「安定資産」に限定されており、ナロウバンクの先取りという性格のものである。 (5)いまや、金融持ち株会社組織の下で、安全資産への運用割合を徐々に高める方法でのナロウバンクの導入、郵貯の改革、弾力的資金供給可能なナロウバンク・コアバンクの構想などに取り組んでいくべき段階である。
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