研究分担者 |
新井 仁之 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10175953)
堀畑 和弘 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10229239)
納谷 信 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70222180)
中川 泰宏 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90250662)
板東 重稔 (坂東 重稔) 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40165064)
高木 泉 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40154744)
石田 正典 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30124548)
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研究概要 |
本研究は,各種の幾何構造の変形やモデュライの研究に現れる非線形問題を,大域的変分問題の立場から,系統的に研究することを目的とし,つぎの研究成果を得た. (1)西川は,負曲率等質リーマン多様体とその理想境界に関する調和写像の無限遠境界値問題を研究し,一般のk-term Carnot空間(Carnot巾零リー群の可換拡大としてえられる負曲率等質空間)の間の固有かつ非退化な調和写像に対し,無限遠境界値問題の境界値に対する必要条件,解の存在と一意性を証明した. (2)板東は,コンパクト・ケーラー多様体上の安定正則ベクトル束上のアインシュタイン・エルミート計量の退化について研究し,このような束のモヂュライ空間が反射的層を境界につけ加えることによりコンパクト化できることを証明した. (3)中川は,アインシュタイン・ケーラー計量の存在問題に対して,トーリックFano軌道体上の二木指標と一般化されたキリング形式を,対応する凸体のデータで記述する組み合せ論的公式を証明し,2次元トーリックFano軌道体および3・4次元非特異トーリックFano多様体の場合に,それらを具体的に求めた. (4)納谷は,階数1の局所対称空間の理想境界上の擬共形構造と両立する擬リーマン計量の標準的構成法を見いだし,複素双曲型空間形の理想境界に対して,この計量に対する田中・ウェブスター接続の曲率を計算し,その符号が対応する複素クライン群の極限集合のハウスドルフ次元によって決定されることを証明した. (5)堀畑,調和写像に付随した非線形放物型偏微分方程式に対して,空間3次元の場合に弱解がmonotonicityをみたすことを見いだし,解の部分正則性を証明した. (6)新井は,巾零群上の擬微分方程式の解の最適な評価を得ることに成功し,その応用として強擬凸CR多様体上の接コ-シ-・リーマン方程式の解の最適な評価も証明した.
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