研究課題/領域番号 |
07454041
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
内田 豊 東京理科大学, 理学部, 教授 (90012814)
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研究分担者 |
廣瀬 重信 (広瀬 重信) 東京理科大学, 助手 (90266924)
柴田 一成 国立天文台, 助教授 (70144178)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 太陽フレア / 太陽磁場 / 「ようこう」衛星 / X線観測 / 磁場エネルギー解放 / 電磁流体力学 / 計算機シミュレーション |
研究概要 |
X線太陽衛星「ようこう」がこれまでに与えた種々の新しい観測的知見のうち、アーケードフレアについて新しく分かって来た事は、従来のフレア標準的理論モデルであったSturrock等の「双極アーケード解放-再結合モデル」(以下では古典モデルと呼ぶ)で考えられて来た事とは本質的な所でいろいろ違っている事が次第に明らかとなった来た。本研究では、活動域内のアーケードフレア、磁場の弱い高緯度域で起るポーラーアーケードフォーメーション等についてのこれらの新事実を説明出来る新モデルの探求を課題とした。我々の「ようこう」データの解析で分かって来た事とは、(1)ポーラーアーケードフォーメーションが始まる前の暗いコロナ構造は、古典モデルから期待されるものとは全く異なり、両側からのループが真ん中のダークフィラメントのあたりで交差しながら着地している事、(2)ダークフィラメントが飛んでから後で、スパイン(背骨)と我々が呼ぶ細い筋がダークフィラメントがあった交差線から上昇して来る。これは複数の細いスレッド構造であり、古典モデルで期待される磁気再結合点のローカスでは説明出来ない。(3)アーケードフレアでは、双極的構造ではなく、頂上から両側の光球につなぎ戻る構造が見られ、更にアーケードの下の暗いトンネルの軸付近に明るい構造が見えるがこれも古典モデルではまったく説明がつけられない、等であり、これらは内田が1980年頃提唱したがまだ対応する良いコロナ磁場観測がなかったため主流とならなかった「4重極モデル」が予言したものであった。そこで我々はこの4重極平衡モデル(Uchida 1980)を復活し、それをダイナミックシミュレーション化するコードを発展させてきた。平成8年度はこれを進めて、フットポイントのスクイージングにより、平行磁場を含む「中性面が圧縮されてダークフィラメントを支えてリコネクションを妨げて磁気エネルギーを蓄えたコンフィギュレーションを作り、これが新出現磁場域からのヘリシテイー注入により不安定化してダークフィラメントの押し出しが起こり、続いてそれまでそれにより押さえられて来た磁気リコネクションが起ってエネルギーを解放する」というモデルを引き続いて調べ、これが観測で分かって来た諸特徴をよく説明出来る事を示す事が出来た。
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