研究課題/領域番号 |
07454051
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
與曽井 優 (輿曽井 優) 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80183995)
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研究分担者 |
中村 正信 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (90025479)
坂口 治隆 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30025465)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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キーワード | 偏極移行係数 / 核内スピン励起 / 焦点面スピン分光器 / 磁気分析器Grand Raiden / 零度非弾性散乱 / セコンドレベル・トリガー / 高速データ収集系 / リフレクティブメモリー / 陽子全偏極移行測定 / 高分解能磁気分析器Grand Raiden / 高速データ収集 / 2回散乱 |
研究概要 |
本研究では、高分解能磁気分析器と焦点面スピン分光器(FPP)を組み合わせた2回散乱実験により陽子散乱の全偏極移行係数(D_<ij>)の測定を行い、特に原子核の不自然パリティ状態へのスピン励起を調べることを目的とした。本科研費の補助を受けて2回散乱標的への入射方向測定用のMWPC2台がFPPに設置され、大角散乱事象を選択的に取得するためのセカンドレベル・トリガーが効率化されて、ようやく全系が完成し、本格的にデータを取得することが可能となった。更に、CAMACを経由しない高速のデータ収集システム(〜1MByte/sec)の構築に成功し非常にバックグラウンドの高い系においても効率良く実験を行うことができるようになった。 我々は、先ず、励起に関与する軌道角運動量を制限するため零度における陽子非弾性散乱に注目し、特に0^+→1^+のM1(magnetic dipole)励起を中心にその微分断面積に加えて、全偏極移行係数を^<12>C及び、^<28>Siについて測定した。偏極移行係数D_<SS>(=D_<NN>)、D_<LL>のデータから、これまで弱いためにほとんど実験的に大きさの決められていなかった、有効核子核子相互作用のスピン依存項V_σを定量的に明らかにし、また、Σ=(3-(D_<NN>+D_<SS>+D_<LL>))/4で定義される量が1か0かによって励起状態がスピンフリップか非スピンフリップかを分離することに成功した。また、スピンフリップ状態については偏極移行係数を用いてアイソスピンの選択が可能なことも示すことができた。また、同じ装置を用いて弾性散乱におけるスピン回転パラメータを測定することによってスピン0核に対する完全実験を行い、核内媒質効果を関与するメソンの結合定数や質量の変化として抽出することにも成功した。それぞれのテーマは、その後原子核の励起状態における共鳴モードの研究や核の中性子分布の測定へと発展し、新たな実験が現在進行中である。′
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