研究課題/領域番号 |
07454052
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
下田 正 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70135656)
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研究分担者 |
森信 俊平 九州大学, 理学部, 教授 (50016078)
高橋 憲明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10028152)
宮武 宇也 東京大学, 原子核研究所, 助教授 (50190799)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
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キーワード | 超流動ヘリウム / イオン・原子トラップ / 核スピン偏極 / レーザー光ポンピング / β遅発中性子 / スピン・パリティ / Gamow-Teller強度 / 液体ヘリウム / 氷球粒子 / snowball / イオントラップ / 核スピンの保持 / スピン偏極度 / 核磁気共鳴 |
研究概要 |
超流動液体ヘリウム中に導入された不純物イオンのまわりに形成されると考えられる氷球粒子(分極ヘリウム原子群)は、高い空間対称性を持ち、イオンの核スピンが長時間保持される可能性が高い。また、液体ヘリウムをイオンまたは中性原子のトラップとして利用することも有望と思われる。そこで、本年度はスピン偏極を飛躍的に大きくする方法の検討、および核分光への広範な応用方法ほ確立すること、を重点的に行った。具体的には、 (1)液体ヘリウム中の氷球粒子に対して、レーザー光ポンピングによって核偏極を生成する可能性についの検討したこと、 (2)核分光への応用例として、スピン偏極した核のβ遅発中性子崩壊を測定することによって、中間状態のスピン・パリティを決めることが出来ることを実証したこと、 の二点である。 前者は、トラップされた原子と液体ヘリウムとの相互作用によって光吸収線幅が広がる可能性を調査し、実験装置に必要な仕様を決定した。実際に光ポンピングが可能かどうかを来年度以降実験てはに調査する予定である。後者では、約1%程度にスピン偏極した不安定原子核17Bを高エネルギー重イオン核反応によってつくりだし、 1.β崩壊に続いて起こる中性子崩壊の同時計測 2.さらに、娘核16Cの励起状態へ崩壊する際に放出されるγ線の同時計測 を行った。実験データの詳細な解析から、中間状態である17Cの6つの励起エネルギーを新たに決定した。さらに、偏極核からのβ線の非対称度の測定から、そのうち4つの状態のスピン・パリティを決定することが出来た。そして、殻模型との比較から、このような極端に中性子過剰な核では2つの中性子間に働く対相関相互作用が、安定核のそれよりも30%程度小さいことが示唆された。 このように核分光への応用は極めて有効であることが実証されたと言える。
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