研究課題/領域番号 |
07454064
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
有賀 哲也 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70184299)
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研究分担者 |
西嶋 光昭 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90108978)
高木 紀明 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50252416)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | 表面合金 / 反応ダイナミクス / 走査トンネル顕微鏡 / 共吸着 / 構造ダイナミクス / 表面 / 超高真空 / STM |
研究概要 |
本研究の究極的な目的は、固体表面における個々の原子・分子の動的な振る舞いを実験的に直接観測し、その微視的機構を理解することにある。そのために、広い温度範囲で試料温度を変化させながら、表面原子像を観測することができる新しい走査プローブ顕微鏡の開発を行った。また、その応用をめざして、表面共吸着系における秩序形成、H+H/Pd (100)系における反応ダイナミクスなどの研究を行った。 開発した装置は、超高真空下において、試料温度100〜1000Kの範囲で原子像観測が可能である。また、非常に低雑音・高分解能である。STMトポグラフィモードにおける雑音は3pm (p-p)であり、遷移金属の(100)表面や(111)表面の原子像観測が可能である。また、トンネル電流を〜1pAに絞っても安定なトポグラフィ像観測ができることから、有機分子蒸着膜などの低電気伝導性試料の観測にも有効であることがわかった。これらの特徴は、開発した走査プローブ顕微鏡の適用範囲を、計画よりも大幅に広げるものである。 この新しい走査プローブ顕微鏡の応用をめざして、Pd (100)表面上へり一酸化炭素(CO)と一酸化窒素(NO)の共吸着について、低速電子回折、高分解能電子エネルギー損失分光、熱脱離などにより検討した。その結果、NOとCOが安定な秩序混合相を形成すること、この相内で爆発的な二酸化炭素生成反応が進行することを明らかにした。さらに、格子気体模型に基づくモンテカルロシミュレーションを行い、NO-CO分子間相互作用を定量的に評価した。また、Pd (100)表面上に吸着したH原子と気相から飛来したH原子との反応機構を検討し、従来知られていない新しい素反応経路を見いだした。これに基づいて、表面-水素系のポテンシャルエネルギー曲面の形状や反応ダイナミクスに関する重要な知見を得た。 今後は、本研究で開発した温度可変走査プローブ顕微鏡により、表面における秩序形成プロセスの解明などの研究を展開する計画である。
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