研究課題/領域番号 |
07454087
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
西尾 豊 東邦大学, 理学部, 助教授 (20172629)
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研究分担者 |
田村 雅史 東邦大学, 理学部, 講師 (00231423)
梶田 晃示 東邦大学, 理学部, 教授 (50011739)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1995年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 金属-非金属転移 / CDW / 相転移 / 反強磁性転移 / 比熱 / 潜熱 / 有機伝導体 / 1次相転移 / DCNQI / エントロピー |
研究概要 |
本研究はDCNQI-Cu系の熱的(比熱、潜熱)を系統的に測定することによって、(DMe-DCNQI)_2Cu系の加熱状態で観測されるリエントラント金属-非金属転移の機構を究明する目的で始められた。圧力下で相転移を熱的に研究するため、常圧下で試料内は均一な加圧状態が実現可能なDCNQI分子内の水素を選択的に重水素置換を施した系を用いた。測定は次の領域に分けて始められた。1)バンドの状態を調べるため電子比熱係数の求まる低温域(0.5<T<2K)の比熱測定、2)絶縁体領域で観測される反強磁性転移を調べるため中間温度領域の比熱(2<T<20K)、3)最後にリエントラント転移に伴う比熱の跳びおよび潜熱の測定を行った。リエントラント転移は非常に圧力に敏感であるため試料依存性が大きい、このため電気抵抗測定を行った単結晶試料を用いなければ相転移の本来の姿は見えてこない。 われわれは測定は基本的には単結晶で行えるように、熱容量の小さいな系で高温領域では熱パルス法、低温比熱は熱緩和法を、潜熱測定はDTAを可能とするシステムの改良を行った。測定の結果、低温比熱より、金属域のγT項、すなわち電子系のエントロピーの圧力依存性、高温比熱からは温度に比例した格子比熱が、リエントラントな金属-非金属転移における潜熱測定より、絶縁体相、金属相のエントロピー差が明らかとなった。これらのパラメーターより金属相、絶縁体相のエントロピーを明らかにし、自由エネルギーを見積もった。その結果、この系のリエントラント転移において、絶縁体領域のCu^<2+>のスピンの自由度と金属領域のγTなどによる連続スペクトルによるエントロピーが競合することにより引き起こされることが明らかとなった。
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