研究課題/領域番号 |
07454117
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
超高層物理学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
深尾 昌一郎 京都大学, 超高層電波研究センター, 教授 (30026249)
|
研究分担者 |
小川 忠彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (60271607)
山中 大学 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (30183982)
中村 卓司 京都大学, 超高層電波研究センター, 助手 (40217857)
山本 衛 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (20210560)
津田 敏隆 京都大学, 超高層電波研究センター, 教授 (30115886)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
|
キーワード | 沿磁力線イレギュラリティ / 中緯度電離圏 / スポラディックE層 / Perkins不安定 / 大気重力波 / MUレーダー / SEEK計画 / ロケット・地上同時観測 / Perking不安定 |
研究概要 |
最近の研究から、電離圏沿磁力線イレギュラリティ(FAI;Field-aligned irregularity)は中緯度域の電離圏F領域およびE領域においても活発であり、中性大気中の重力波を起源とする波動構造を示すなど、中性大気と電離大気の相互作用の影響を大きく受けることが明らかになりつつある。本研究は、MUレーダーを中心とする広範な観測によって中緯度FAIの励起メカニズムを統一的に解明し、中性大気-電離大気相互作用を明らかにすることを目的として、平成7年度から9年度の3年間にわたって実施された。本研究期間は太陽活動度の極少期に当るため、太陽活動度に対して負の相関を示すF領域FAIの観測に適当であったばかりでなく、1996年夏季には宇宙科学研究所を中心としてSEEK(Sporadic-E Experiment over Kyushu)と呼ばれるE領域FAIのロケット・レーダー同時観測が実施されたため、本研究もこれに参画して1985年(予備観測)と1986年(本観測)の2回にわたって、通信総合研究所と共同で米国SRI Internationalの可搬型ドップラーレーダーを宇宙開発事業団種子島宇宙センターに移動・設置し、各2月間の連続観測を実施した。 本研究の結果、特にSEEKキャンペーン観測から、E領域FAIに関連して10〜20mV/mという中緯度としては極めて強い電界が誘起されていることが明らかになった。また中性大気風速の観測ではケルビン・ヘルムホルツ不安定を生じる程度の極めて強い風速シアが存在することも明らかにされた。これらの初期の研究成果は、SEEK参加者それぞれがまとめ計14編の論文として米国地球物理学連合(AUG)のGeophysical Research Letters誌特集号として収録されることが決っている(1998年5月ごろに刊行予定)。一方、F領域FAIについては、波長100km程度の波状の構造が観測される場合にはいわゆるパーキンス不安定の存在を示唆するFAIの空間構造と電界の存在が明らかにされたほか、その内部に波長数10kmの構造が存在することが明らかにされた。また過去10年余に及ぶF領域FAI観測データの再解析を実施し、太陽活動度に対するF領域FAI活動度の逆相関関係を確認するなど、FAIの振舞いについて多くの新しい知見を得ることができた。
|