研究課題/領域番号 |
07454137
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地球化学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
下山 晃 筑波大学, 化学系, 教授 (30134084)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 現世堆積物の有機物 / 東京湾堆積物 / 深度分布 / ジペプチド / ヌクレオシド / リボ-体とデオキシ-体 / クロロフィル / クローリン化合物 / 東京湾堆積物の有機物 / ジペプチドの深度分布 / ジペプチドの続成変化 / ヌクレオシドの深度分布 / ヌクレオシドの続成変化 / 生体高分子の地球化学 |
研究概要 |
本研究では現世の堆積物として東京湾堆積物のコアー試料(0cm〜100cm)を用い、1)水溶性のタンパク質とその構成アミノ酸、2)核酸の塩基とそのヌクレオシド、3)クロロオフィルおよびクローリン化合物、の検出とそれらの初期続成変化を堆積物の深度に対して明らかにすることを目的として分析実験と結果の考慮を行った。 タンパク質とそのアミノ酸の研究では、ペプチドとして最小のジペプチドを検出した。これらは堆積物の最表層で最も多く存在し、深度が30cmまでは急激に減少するが、それ以深ではほぼ一定の値で分布していることを見い出した。この深度変化は、生体中のタンパク質が堆積環境下での初期続成作用により、加水分解されて低分子量のペプチドを経て、最終的にはアミノ酸へと変化するとの解釈を行った。 核酸の塩基とそのヌクレオシドについては、生体中に多く存在する8種類のヌクレオシドを検出した。これらのヌクレオシドは最表層で最も多く存在し、深度と共に急激に減少する傾向を見い出した。ヌクレオシド中ではリボ-体がデオキシ-体よりも多量に存在することを明らかにし、生体中の組成を反映していると考察した。さらに、リボ-体/デオキシ-体の比より、リボ-体がデオキシ-体よりも分解しやすいことも見い出した。また、堆積物のヌクレオシドが核酸由来のものだけではないことも明らかにした。 クロロフィルおよびその分解生成物である4種のクローリン化合物も検出した。しかし、クロロフィルとクローリン化合物の量比は堆積物のどの深度でも比較的一定であり、堆積物中での変化や分解はあまり進行していないことを明らかにした。 以上を総合すると、どの有機物も堆積物の表層から100cmの深度(過去約100年間)で最初の存在量よりも1桁少ない値に減少している。特に、表層から30cmの間で存在量が急激に減少し、極めて初期(最初の数十年間)の続成変化が大きいことが判明した。
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