研究課題/領域番号 |
07454148
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
遠藤 泰樹 (1996) 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (41016159)
遠藤 泰樹 (1995) 東京大学, 教養学部, 助教授 (40106159)
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研究分担者 |
大島 康裕 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60213708)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1996年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1995年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 開殻分子 / 分子間錯体 / フーリエ変換マイクロ波分光法 / 2重共鳴分光法 / 分子イオン錯体 / 分子間相互作用 / 分子軌道計算 / 分子軌道法 / 分子錯体 / フリーラジカル / マイクロ波分光 / 2重共鳴分光 / 分子内大振幅運動 |
研究概要 |
開殻分子を含むラジカル錯体は、化学反応ダイナミクスの解明に重要な寄与をする分子種であるが、分光学的研究は限られてる。分子錯体に特有の大振幅運動と不対電子との相互作用の解明をめざして、本研究ではフーリエ変換マイクロ波分光法、マイクロ波-ミリ波2重共鳴分光法により、その運動ダイナミクスを明らかにすることを試みた。 本研究期間中に、Kr-OH、Ne-OH、およびAr-SHの純回転スペクトルを観測した。結果は、以前に研究を行ったAr-OHと同様の開殻分子の大振幅運動を考慮した方法で解析した。OHを含む錯体では相互作用ポテンシャルの異方性の差を希ガスの分極率で説明できることを見出した。これに対し、SHの系は極めて異方性が小さく、T-型の安定配置を持つ可能性がある。また、分子-ラジカル錯体、H_2O-OHとH_2S-SHの系を新たに分光した。このうち、水素結合系であると考えられるH_2O-OHは、比較的堅い構造を持ち、開殻の非対称コマ分子として解析できた。一方、H_2S-SHはスペクトルに異常が見られ、安定構造の決定も含め、更に研究が必要である。更に、分子イオンと希ガスとの錯体であるAr-HCO+とKr-HCO+のスペクトルも観測できた。これらは、中性分子同士の錯体と異なり、電荷誘起の相互作用が支配的である。適当な静電モデルで構造と分子間ダイナミクスが説明できることを示した。 また、これらの錯体の安定構造、ダイナミクスの解明には高精度の分子軌道計算の補助が必要である。これらの系に対し高精度の分子軌道計算を適用し、錯体の構造、相互作用ポテンシャルを求め実験結果と比較した。イオン錯体、H_2O-OHなどでは計算と良い一致が見られることを確認した。
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