研究課題/領域番号 |
07454166
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
坂田 祥光 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (60029874)
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研究分担者 |
杉浦 健一 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (60252714)
今堀 博 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (90243261)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 電子移動 / ポルフィリン / 光合成 / C60 / 光電流 / 自己集合単分子膜 / 電荷分離 / 人工光合成 / C_<60> / 自己集合化学分子膜 / ドナー / アクセプター |
研究概要 |
モデル化合物の合成による光合成電子移動機構の解明とその利用を目指して研究を行い、以下の成果を得た。1)電荷分離機能を持つ分子として、ポルフィリンとC60とを連結した化合物を連結位置を種々変えて系統的に合成し、電子移動は測定溶媒、反応の自由エネルギー変化、スペーサー部分のフェニル基の置換様式などに大きく左右することが判った。2)ポルフィリン-C60連結化合物とポルフィリン-ベンゾキノン連結化合物とを連結部分をほぼ等しい堅固なスペーサーを用いて合成し、両者の電子移動速度の差を検討した。その結果、C60のような大きなパイ電子系では電荷分離に向かう電子移動速度は速く、電荷再結合に向かう電子移動は遅くなるといった生体類似の挙動を示すことが明らかとなった。3)末端にチオール基を持つ長鎖アルキル基をポルフィリン環に導入した化合物を合成して単分子膜を作製した。自己集合化した単分子膜で修飾した金を電極として用いるとポルフィリンの可逆な酸化波が観測された。このことから集合化したポルフィリン部分が外部と応答して電子の授受を行うことが明らかとなり、この集合化方法がエネルギーの取り出し法として優れていると結論された。4)C60がアクセプターとして生体類似の挙動を示し、人工光合成用のアクセプター部品として優れていることが判ったので、末端にイオウ原子を持つポルフィリン-C60連結化合物を合成し、これを金表面上に自己集合化させて、単分子膜を形成させた。こうして作製した修飾電極を作用極とし、白金を対電極、銀塩化銀を参照電極とする一室型3極セルを用いて電子キャリアー存在下に光を照射すると従来のものに比べてはるかに強い光電流が観測された。これは光合成類似の電子移動で起こっているためだと結論された。
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