研究課題/領域番号 |
07454179
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
大瀧 仁志 立命館大学, 理工学部, 教授 (80022549)
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研究分担者 |
加藤 稔 立命館大学, 理工学部, 講師 (00241258)
小堤 和彦 立命館大学, 理工学部, 助教授 (50177250)
澤村 精治 立命館大学, 理工学部, 助教授 (10167439)
谷口 吉弘 立命館大学, 理工学部, 教授 (70066702)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1995年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | 高温 / 高圧の水 / 水の構造 / 溶液X線回折 / 粘度のB係数 / ラマン・スペクトル / 蛋白質の構造 / 水和水分子 / 回転緩和速度 / 高温、高圧の水 / 溶解度 / 分子のコンフォーメーション / ダイアモンド・アンビル / 圧力効果 |
研究概要 |
1)高温/高圧用溶液X線回折装置を用いて、亜臨界並びに超臨界状態の水の構造について研究を行った。その結果、水は高温・高圧状態下ではかなりの程度分子間水素結合が破壊されるが、超臨界状態になってもまだ相当程度(数10%)の水素結合が残されており、そのため、最近接水分子間距離は290-295pm程度の値をとっている。この分子間距離は、常温常圧の水における水素結合距離(280-285pm)よりはだいぶ長くなっている。一方、最近接水分子数は高温高圧状態になり、水の密度が減少するとそれにつれて急速に減少し、超臨界状態では最近接水分子数(配位数)は1.5程度にまで減少してしまう。これらの結果から、高温高圧下では水はかなり小さな分子数から構成されるクラスターとさらにそれよりも小さい分子集団であるオリゴマー、あるいはさらにモノマー状態になった水分子の混合系となっているとものと結論された。このような結論はこれまで知られている超臨界水の諸物性をよく説明するものである。また電解質水溶液の構造についても溶液X線回折法ならびにNMR法で研究を行った。 2)電解質水溶液の粘性や水和水分子の動的挙動に関して粘性のB係数の測定やNMR法による回転緩和速度に関する研究をおこなった。溶液の粘性のB係数は比較的低温では圧力が増加すると一旦は大きくなるが、さらに圧力が増加すると減少する傾向を示すことが明らかとなった。また温度が上昇するにつれて、B係数が圧力変化にともなって極大値を示す傾向が次第にみられなくなり、高温ではB係数は圧力の増加とともに単調に減少するようになる。このようなB係数の変化の挙動は温度圧力によって水構造が変化することを明らかにした上記の研究結果からよく説明された。また水和水分子の回転緩和速度は圧力の増加により次第に小さくなることが示された。 3)高圧下における蛋白質の構造変化についてはラマン・スペクトル、FT-IR、小角X線散乱などの手法を用いて研究した。
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