研究概要 |
本研究では側鎖に液晶核を持つ高分子液晶の応用として、書き込み・消去が可能なフィルム状表示デバイスの材料開発を目的としてきた。先ず、4-シアノフェニル及び4-アルコキシフェニル 4-(4-アルコキシベンゾイルオキシ)ベンゾエ-トのオルト位とスペーサーが結合したポリアクリレートを利用した高分子液晶を合成し,前者の同族体がガラス基盤上でのライトバルブ機能を有することを明らかにした.新規高分子液晶として4-シアノフェニル 4-(4-アルコキシベンゾイルオキシ)ベンゾエ-トのメタ位とスペーサーが結合したポリアクリレートの合成と熱物性の検討を行った.この高分子はネマチック相を発現するが低温側でスメクチックA相を発現し易く,ネマチック状態で電場により制御したホメオトロピック配向が低温で崩れることが分かった.新たにその誘導体である4-(4-アルコキシフェノキシカルボニル)フェニル 4-シアノベンゾエ-トを側鎖に有するポリアクリレートを合成し,その熱物性と電気物性の検討を行った.この高分子ではスペーサーが短いときネマチック相を発現し、そのネマチック一等方性液体転移温度は150℃と高く,電場応答性も良好であったが、室温では結晶化が進行し電場により制御したホメオトロピック配向が崩れてしまう欠点をもつことが分かった.更に4-R-フェニル 4-プロペニルオキシベンゾエ-トを側鎖に持つポリシロキサン誘導体は安定なLB膜を形成し、液晶セルの良い配向処理剤としての応用性を見いだした.又、4、4′-ビス(4-プロペニルオキシベンゾイルオキシ)ビフェニルは熱重合により良好な液晶配向剤としての応用性を見いだした.
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