研究課題/領域番号 |
07454190
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能・物性・材料
|
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 (1996-1997) 九州大学 (1995) |
研究代表者 |
西 信之 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (60013538)
|
研究分担者 |
大橋 和彦 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (80213825)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1997年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1996年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1995年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
|
キーワード | 分子イオンクラスター / マトリックス分離法 / 電荷ホッビング / 光解離過程 / 電荷ホッピング / 分子間プロトン移動 / 赤外分光 / 分子イオン / クラスター / ソフトランディング / 分子分光 |
研究概要 |
本研究では、分子イオンやイオンやイオンクラスターを空間的に分離し、更に質量選別を行った後に減速制動を行い、低温基板に蒸着し、分光観測を行うシステムの設計と制作を行った。更に、ベンゼンイオンの蒸着実験を行い、バックグランドガスの蒸着基板への混入度のチェックと改良、またマトリックスとの相互作用について検討した。まず、4Kのアルゴンマトリックスにベンゼンイオンを打ち込みながら、更にアルゴン層で覆うことを繰り返した結果、アルゴン中にイオンを閉じ込めることに成功したが、π→π)および(π→π^*)電子スペクトルの観測から、ベンゼンカチオンはアルゴン原子集団を大きく分極させ、カチオンのまわりに不均一な誘電場を発生していることが明らかになった。そこで、結晶場の中にカチオンを閉じ込める試みを行った。ベンゼン自身の結晶中にベンゼンカチオンを埋め込むことによって高密度に陽電荷を閉じ込められないかという期待があった。実際、420nmから始まる新しい吸収帯を観測したが、透明な結晶の成長が極めて難しい状況で、多くの苦労を伴った。陽電荷のみが集積すると、突然のクーロン爆発によって試料の一部が剥がれてしまった。そこで、真空容器中の真空度測定管のフィラメントを入れたまま真空容器内に陽電荷や陰電荷を発生させ、自然に陰イオンを蒸着させるようにした。 一方、クラスター内での陽電荷のホッピングを赤外光励起によって誘起する実験を行ったところ、陽イオンのC-H伸縮振動励起に伴って、陽電荷が確かにホッピングによって高速に飛び回っていることが証明された。また、C-H伸縮振動バンドの均一線幅はサイトによって異なるが、100-150フエムト秒の時間スケールで緩和が起こっていることを示しており、この早い緩和が分子間振動とカップルした電荷・電子相互作用によっている可能性が高い。今後、この速度の決定の実験を行う予定である。
|