配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1996年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1995年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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研究概要 |
1.転石群集: 2種のエゾバイ科の巻貝は腐肉食と積極的な捕食を併用していることが明らかとなった.この2種の共存域および単独分布域における個体群特性の違いを明らかにした.転石潮間帯および潮下帯の群集構造調査を実施し,生物分布が明瞭に区分できることを示した.ベントス群集組成と石の大きさや石組み構造との関係を解析した.石サイズの選択性は種ごとに異なり,石サイズが極めて限定される種類から無差別の種類まで見られ,各種の移動能力や生理耐性,食性の違いによると予想された.近縁種の共存機構の問題として,同属の5種のカサガイが潮間帯において主分布域をずらして、共存している現象に注目し、着底から成長に伴う移動分散,乾燥・高温耐性の種類差,種内・種間競争に関する野外調査・実験を行い,垂直分布域の種間の相違は着底期ではなくその後の成長に伴う移動により決定されることを明らかにした.直達発生の巻貝アマガイの隔離個体群における個体群発生の解析を行った.無脊椎動物において初めて観察された,ムラサキクルマナマコにおける双方向性転換について,追跡調査によりその実体を明らかにした.またその個体群動態についても解析した. 2.岩盤群集: フジツボの死殻を生息場所として利用する小型生物について,その利用様式について調査を行い,固着生物の遺骸が小型生物の垂直分布域拡大に影響していることを明らかにした. 3.潮下帯群集: 転石潮下帯でもっとも目立つ肉食生物,イトマキヒトデの食性分析を行い,海藻食が種であることを明らかにした.ウニの集合性に影響する要因として,シェルターの役割を実験的に明らかにした.サンゴの成長・繁殖・加入に対する水深の影響を,移植実験により明らかにした.
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