研究課題/領域番号 |
07454213
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
土屋 誠 琉球大学, 理学部, 教授 (40108460)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1995年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | 干潟 / 環境浄化 / 生態系機能 / 堆積物食者 / 懸濁物食者 / 摂食活動 / 種間関係 / 環境機能 / マングローブ / 底生生物 |
研究概要 |
本研究の目的は干潟が持っている生態系機能を理論的に解明し、それを定量的に評価し、干潟の重要性に対して科学的根拠を与えることにある。野外および実験室内の調査研究、及び文献調査の結果に干潟は、1)鳥類の採餌、休息の場として、2)陸上から流入してくる有機物の浄化場として、3)貴重な景観機能を持つ場として、4)レクレーションの場として、5)漁場として、6)教育研究の場として、など多くの機能を持つことが明らかになった。 その中で特に底生生物による環境浄化機能及び砂浜の同機能の評価については定量化することが出来た。堆積物食者のヒメシアマネキは、その個体群密度、日周活動や諸環境条件を考慮すると、1haの範囲にヒメシオマネキが生息していると仮定した場合、年間20-80kgの窒素を摂取していると推定された。干潟に堆積物者が存在しなければこれらの有機物は干潟上に蓄積され、より還元的な環境が創出されるであろう。堆積物食者の摂食活動の役割を定量的に評価する方法が確立されたので今後、さまざまな種に応用し、干潟全体の機能を評価する必要がある。 一方、干潟を含む砂浜海岸では干潮に伴って海水が干潟や砂浜内部に入り込み濾過される。この濾過量を測定した結果、砂浜と干潟が1kmにわたって続いていた場合、年間約70トンの海水が濾過されると推定された。有機物量の指標であるCODはあきらかに干潮時に減少して戻ってくるのでその浄化量は無視できない。今後、海水中に含まれる懸濁物質量や干潟に負荷される陸上からの有機物量の動態と関連させて、干潟の機能をさらに詳細に検討する必要がある。
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