研究分担者 |
海老原 清一 高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部加速器第3研究系, 助手 (40100812)
中西 弘 高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部加速器第2研究系, 助教授 (00044769)
小方 厚 高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部加速器第3研究系, 教授 (60023727)
中島 一久 高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部加速器第3研究系, 助教授 (80164177)
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研究概要 |
1)パルス幅100フェムト秒,波長800nmのチタンサファイアレーザの2倍波及び3倍波でLaB_6カソードを照射して電子を発生し,この電子を直流電場でひきだすことに成功した.量子効率は小さかったが,フェムト秒レーザーによる電子発生は初めてであり事項に述べるrfレーザーカソードの成功を約束する成果であった. 2)レーザによりカソードを照射して電子ビームを発生させ,これをrf空洞で加速するシステムを製作した.rf空洞の形状の設計計算はBNL(米国ブルックリン国立研究所)に依頼した.また実際の製作は住友重機械工業株式会社が行った. カソード材料にはマグネシウムを使用している.rf周波数は2856Hzで,セル数は1.6,カソード面における電場は100MeV/mに近い.得られる電子バンチの電荷は1nC,エネルギーは最大7MeVであるが,3MeV付近で最適化した運転も可能である.エネルギーの広がりは2%以下で,正規化エミッタンスは4πmm mrad程度である.この低エミッタンスを達成するために,全体をホローコンダクタからなるソレノイドで囲む構造とした. われわれのレーザーと組み合わせて用いる限りはパルス周波数は10Hzであるが,50Hz以上の周波数における運転にも対処するために空洞を冷却している.ピコ秒レーザーを用いたテストでは,カソードを出た電子のバンチ長は5psであったが,空洞出口では1psに短縮された. 最終的な目的は,上述のパルス幅100フェムト秒のレーザーと結合して電子ビームを発生することである.この運転は東京大学工学部付属原子力工学研究施設において行うこととなった.rf源としてはこの施設の線形加速器用のクライストロンを使用することとなり,現在導波管その他を手配済みである。
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