研究課題/領域番号 |
07455001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小池 洋二 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70134038)
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研究分担者 |
加藤 雅恒 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50211850)
野地 尚 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50180740)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 高温超伝導 / インターカレーション / Bi系高温超伝導体 / 異方性 / 多層膜 / 近接効果 / 過剰酸素 / Bi-2222相 / Bi_2Sr_2(Gd_<0.82>Ce_<0.18>)_2Cu_2O_<10+δ> / Bi-2212相 / 酸化物高温超伝導体 / Bi_2Sr_<1.4>La_<0.6>CuO_<6+δ> / Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+δ> |
研究概要 |
Bi系高温超伝導体(Bi2201相、Bi2212相、Bi2222相)をホストする種々のインターカレーション化合物を合成し、インターカレーションによる異方性(次元性)の変化、キャリア濃度の変化、超伝導転移温度Tcの変化を調べ、高温超伝導の発現機構に関する知見を研究目的とした。結果は以下のとおりである。 Bi2212相の単結晶とBi2201相の単結晶にヨウ素をインターカレーションした化合物で実験を行い、その結果は、高温超伝導体をCuO_2面から成る超伝導層といわゆるブロック層から成る常伝導層の重ね合わせと見なす多層膜モデルで、キャリアの分布と近接効果を考慮することによって理解できることが分かった。超伝導層の超伝導の発現機構そのものは明らかにできないが、定量的な解析から、ク-パ-対形成のための引力として2000K程度のエネルギーが必要であり、電子-フォノン相互作用以外の新しい機構による超伝導であることが示唆された。2.酸素量のδの異なる種々のBi_2Sr_2Ca(Cu_<1-Z>Co_Z)_2O_<8+δ>にヨウ素をインターカレーションした化合物としない化合物について、Co置換によるTcの低下率d{Tc(z)/Tc(0)}・dzを調べた。この研究により、ヨウ素インターカレーションによるTcの低下は、インターカレーションによるキャリア濃度の変化だけでなく、CuO_2面の面間距離の増大によるデカップリングにも起因していることが分かった。これは、上述の多層膜モデルを支持する結果でもある。3.Biー2222相Bi_2Sr_2(Gd_<0.82>Ce_<0.18>)_2Cu_2O_<10+δ>の超伝導化には、これまで、高酸素圧アニールが必要であったが、ハロゲンのインターカレーションによって超伝導化に成功した。その結果、Biー2222相の超伝導出現における高酸素圧アニールの役割は、CuO_2面の酸素欠損の補填ではなく、過剰酸素導入によるCuO_2面への十分なキャリアの供給であると結論できた。
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