研究課題/領域番号 |
07455017
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長谷川 英機 北海道大学, 工学部, 教授 (60001781)
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研究分担者 |
赤沢 正道 北海道大学, 工学部, 助教授 (30212400)
本久 順一 北海道大学, 量子界面エレクトロニクス研究センター, 助教授 (60212263)
橋詰 保 北海道大学, 工学部, 助教授 (80149898)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | 量子細線 / 量子井戸 / 化合物半導体 / 界面制御 / 表面・界面準位 / 表面不活性化 / シリコン界面制御層 / フォトルミネセンス |
研究概要 |
III-V族半導体を利用した量子デバイスは、新しい原理にもとづく次世代集積エレクトロニクスを構築できる可能性がある。これまでは、表面準位の多い表面をさけ、深く埋め込まれた量子構造を形成・評価する研究が全世界的に主流で、プレーナー集積化の展望は全く確立していない。本研究は、III-V族化合物半導体の量子構造の閉じ込め量子準位と表面の相互作用の機構を解明し、「シリコン超薄膜界面制御層」を用いる独自の表面・界面制御技術を用いて制御し、プレーナー集積化可能な新光デバイス構築の展望を開こうとするものである。得られた主要な成果を以下にまとめる。 1)表面から5nmと極浅い位置にGaAs/AlGaAs量子井戸を形成した場合、半導体内部に形成した場合と比較して、量子井戸からのフォルトミネッサンス(PL)強度は約1/1000に減少することを確認し、この現象が表面準位と量子準位の強い相互作用によるものであることを明らかにした。シリコン超薄膜界面制御層技術を用いて本質的な表面不活性化を行うことで、このPL強度の完全な回復を世界で初めて達成した。(表面科学17巻9号に論文発表) 2)光電子分光法による化学分析によって、シリコン界面制御技術を用いた不活性化膜/半導体界面では半導体表面の酸化や窒化が見られず、良好な界面が形成されていることを明らかにした。(表面科学17巻9号に論文発表) 3)シリコン超薄膜界面制御層技術を用いることで、不活性化膜である絶縁層を障壁層とした量子細線のPLが常温近くまで観測する事に世界で初めて成功した。また、si超薄膜界面制御層を持たないInGaAs/InAlAs量子細線に対して、PL光強度を400倍以上改善することができた。(PCSI23にて公表、J.Vac.Sci.Technol.14巻4号に掲載) 4)さらにこの新しい表面制御技術を、エッチングによって形成した量子細線の端面不活性化に応用し、形成した量子細線からのPL発光の改善に成功した。(SSDM96(8月)にて公表、JJAP36巻3号に掲載決定) 5)パッシベーションの効果を計算機シミュレーションにより検討した結果、Si超薄膜界面制御層により表面・界面準位密度が大幅に低減されたことが明らかとなった。この技術は、量子ドットにも有効と期待される。(第2回半導体界面制御国際シンポジウムで公表、Appl.Sur.Sci.に掲載決定)
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