研究概要 |
前年度に続き、アラキン酸(C_<20>)とメロシアニン色素(MS)との二成分系混合単分子層を用いてサンドイッチ型アルミニウム電極付きLB膜試料を作製し、累積した単分子層の数Nおよび分子組成比と導電・誘電特性との相関の検討を進め、ベキ関数型導電特性成分G_<PL>∝ω^a(0<a<1)について前年度までに見いだした傾向を確認した。すなわち、ベキ指数aは、単分子層試料(N=1)では色素濃度[MS]の増加とともに単調減少の傾向を示すのに対し、N=3の場合には[MS]:[C_<20>]=1:5が最小のa値を示した。これらの結果の概要は、The 8th International Conference on Organized Molecular Films(Asilomar,California,U.S.,August 24-29,1997),The 4th IUMRS International Conference in Asia(OVTA,Makuhari,Chiba,Japan,Sept.16-18)、および1997年度材料技術協会討論会(東理大神楽坂、平成9年11月7日)において発表された。 新たな単分子層モデル系として、従来のC_<20>-MS二成分系に各種のアルカン分子を加えた三成分系を、水面上での表面圧-面積(π-A)等温曲線の測定、X線回折法などを用いて検討した。[MS]:[C_<20>]:[A_<18>]=1:2:x三成分系において、x≦2の場合、添加されたアルカン分子は、単分子層の面積の増加にも膜厚の増加にも、殆ど寄与しないことが判明した。これらのことから、この三成分単分子層には、MS分子一個に付きアルカン鎖2本分程度の空隙が存在することが示唆された。得られた結果は、The 8th International Conference on Organized Molecular Films(Asilomar,California,U.S.,August 24-29,1997),The 4th IUMRS International Conference in Asia(OVTA,Makuhari,Chiba,Japan,Sept.16-18)、および1997年度材料技術協会討論会(東理大神楽坂、平成9年11月7日)において発表された。
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