研究課題/領域番号 |
07455031
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小門 宏 千葉大学, 工学部, 教授 (40016358)
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研究分担者 |
星野 勝義 千葉大学, 工学部, 助手 (50192737)
北村 孝司 千葉大学, 工学部, 助教授 (20009541)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 強誘電体 / 画像記録 / 焦電性 / ポリフッ化ビニリデン |
研究概要 |
本研究は、フッ化ビニリデン系の強誘電体ポリマーフィルムを用いて極めて安定でかつ随時消去が可能な静電潜像を形成し、焦電性を利用して電位コントラストに変換した後、トナー現像によって画像を形成する新規プロセスに関するものである。 まず、ポーリング性及び焦電性の観点から試料フィルムの熱処理条件を検討した。熱処理温度の上昇とともに、試料中の結晶の大きさは増大するがその密度は減少する。種々の観点から検討した結果、130°C以上での処理が最適であることを確認した。 次に、潜像形成のための分極反転の基礎条件を求めた。抗電界の温度依存性は比較的鈍く、強誘電性を失う直前(80°C)まで加熱しても室温での値から15%しか低下しない。従ってプロセスの設計において、温度および電界の条件設定にかなりの困難が予想された。しかし、瞬間的に加熱するフラッシュ照射では、遙かに容易に分極が反転し、60°Cでもほぼ100%に達することが見いだされた。これは、瞬間的な加熱で試料内部に生ずる不均一な温度分布のため、局所的に必要条件を満たす部分で反転が開始し、それが協同効果により他の部分に波及する結果と推定され、一種の有用な増幅作用の発見として注目される。 分極反転により形成された潜像は極めて安定で、2週間経過後もコントラストの減衰は全く観察されない。分極反転潜像は全面加熱により出現する焦電性電位で活性化されてトナー現像が可能となる。電位は膜厚に比例するが、6μmのフィルムで現像後の画像濃度は飽和することが実験的に見いだされている。そのときの濃度は1.5であった。本研究により、強誘電フィルムを利用するパイロエレクトリック・イメージングのプロセス面について実用可能性が示された。
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