研究課題/領域番号 |
07455038
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野田 進 京都大学, 工学研究科, 助教授 (10208358)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1996年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1995年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 量子井戸 / サブバンド間遷移 / バンド間遷移 / 光変調 / 光制御 / 光-光変調 / 非線形光学 |
研究概要 |
サブバンド間遷移は、その遷移の行列要素が大きく、緩和時間がピコ秒程度と非常に速いことから、超高速デバイスへの応用が期待されている。本研究では、このような優れた特長をもつサブバンド間遷移と通常のバンド間遷移を同時に用いた独自の超高速光制御光変調デバイスを作製し、その超高速動作を実証することに成功した。このような超高速の光-光デバイスは、将来の時分割多重光通信システムにおけるデマルチプレックサ-等への応用が期待される。光-光変調の原理は以下の通りである。n型量子井戸では、伝導帯第1サブバンドに電子が存在するため、バンド間遷移による吸収が抑制されている。ここで、サブバンド間光が照射されると、その吸収にともなって伝導帯第1サブバンドの電子が第2サブバンドに実励起される。このため、第一サブバンドに空準位が生じ、バンド間遷移の抑制が解除されバンド間光の吸収が増加しバンド間光が変調される。つぎに、サブバンド間光の照射を停止した場合には、サブバンド間の実励起緩和時間(〜ピコ秒)程度で第1サブバンドの電子密度が回復しバンド間吸収が抑制された状態に復帰する。よって、速度としてはピコ秒程度の超高速変調が期待できる。本研究では試料をMBEで実際に作製し、光導波路構造に加工した試料を用いて行った。ただし、n型不純物添加は、その相互作用の増大を狙って障壁層への選択添加を行った。変調特性の測定においてサブバンド間光源としては自由電子レーザ(FEL)システムを用いた。FELは大きな波長可変性や非常に短いパルス幅等の優れた特徴を持ち、本変調方式の実験的検討に大きな威力を発揮した。ここで用いたFELは幅5ps程度の極短光パルスを45nsの間隔で約300-400個含むパルス列からなるマクロパルス(幅〜15μs)を10Hzの繰り返しで発生するシステムである。バンド間光源としては通常の半導体レーザを用い、対物レンズで集光して光導波路に導入した。その結果、制御光の鋭いパルス波形に追従したピコ秒台の超高速の光-光変調が観測され、初めて超高速変調が実証された。
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