研究概要 |
シリコンウェハ加工表面に存在する種々の微小欠陥を定量的に測定評価し識別できるインプロセス計測法を確立するために高倍率対物レンズを用いたシリコンウェハ加工表面欠陥検出光学系を構築し,実験を行った結果,以下の成果が得られた. (1)標準粒子検出実験より,光学的欠陥パターンのリング径を計測することで検出欠陥の大きさを推定できることが分かった. (2)付着微粒子,ピンホール,マイクロスクラッチなどの表面欠陥の種類によって光学的欠陥パターンの形状は異なり識別が可能である.すなわち,ピンホールは付着微粒子と同様なリング像が検出されるが,0次光回折強度が非常に大きいこと,またスクラッチはスリットの回折光強度分布に似た縞パターンが得られる. 次に上記手法をインプロセス計測に適用するために,微小欠陥から発生する光学的欠陥検出パターンの効率的かつ高速な処理を目的として,BSO非線形光学結晶を光情報高速記録バッファとして用いる高速光情報処理手法を提案し,実験的に検討を行った結果,以下の成果が得られた. (3)Arレーザ,He-Neレーザ,BSO素子から構成されるホログラフィ記録・再生光学系の構築を行い,光学的欠陥検出パターンの高速記録(10msec),および多重記録(5枚)が可能なことを確認した. 以上(1)〜(3)の研究成果から,シリコンウェハ加工表面欠陥検出光学系より検出される光学的欠陥パターンをウェハ毎に高速に記録し,次の検査の間に再生・解析処理を行うことで,種々のシリコンウェハ加工表面微小欠陥を定量的に測定評価できるインプロセス計測システムが実現できる可能性のあることを示唆した.
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