研究課題/領域番号 |
07455086
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
深野 徹 九州大学, 工学部, 教授 (60037968)
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研究分担者 |
後藤 昭和 九州大学, 工学部, 助手 (90234971)
渡部 正夫 九州大学, 工学部, 助教授 (30274484)
大田 治彦 九州大学, 工学部, 助教授 (50150503)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1995年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | Multi-phase Flow / Unsteady Flow / Nuclear Reactor / Flow-boiling / Dryout / Burnout / Spacer / Surface Tension |
研究概要 |
本年度は、BWR燃料棒支持用スペ-サのうちの代表的なものであるRing Type SpaserとGrid Type Spacerとを環状流路内に設置して、そのスペ-サ周辺の熱・流動現象、すなわち加熱された管表面上でのドライアウト生成の状況を高速度カメラを用いて詳細に観察する一方、スペ-サ近傍における管壁面温度を測定し、上記二つのスペ-サを実用化するための問題点について検討して、以下の結論を得た。 (1)Grid Type Spacerではスペ-サと加熱壁面との間のすき間がくさび状であるため、表面張力が働き、液体が狭いすき間の方へ引っぱられてそこで停留しやすく、スペ-サ上流からの液体の供給を阻害する。一方Ring Type Spacerの場合も狭いすき間内での液体の停留現象はあるが、管周方向にすき間が一様であるため表面張力の効果は小さい。其の結果、Grid Type Spacerの方がスペ-サ直下の加熱表面での液膜の消失(ドライパッチの生成)が激しく起こる。従来からRing Type SpacerよりGrid Type Spacerの方が限界熱流束が小さくBWR燃料棒支持用スペ-サとしては不利であるという実規模の実験があったが、本研究における詳細な流動の観察によって、この理由を始めて明らかにすることができた。 (2)上記の2種類のスペ-サを用いて、ドライパッチの生成が激しく起こるスペ-サ直下近傍の加熱管表面温度の測定結果から、(イ)スペ-サ内での気泡成長によって温度境界層が撹乱されて、スペ-サを設定することによってその周辺の温度は一般に低下する。しかし気泡成長による温度境界層撹乱効果が、Grid Type Spacerの場合には、広いすき間部に限定される結果、温度低減量がRing Type Spacerより少ない。このこともRing Type SpacerよりGrid Type Spacerの方が限界熱流束が小さくBWR燃料棒支持用スペ-サとしては不利であるという実規模の実験結果を裏付けるものである。 (3)以上の本結果は、現在主流となっているエントレインメントによる液膜生成機構以外の主要機構の存在を示唆するもので、今後さらに究明する必要がある。
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