研究概要 |
本研究は管群の流力弾性振動の解析に必要な流体力係数を解析的に求めることを目的としている.本年度の研究実績の概要は以下のようにまとめられる. 1.3列の管群では全体の圧力降下は第1列管群で生じ,第1列は衝動タービンのノズルと同じ働きをしている.管壁の圧力分布は最小すきま位置で最小になり,最小すきま位置より5〜10度下流ではく離する.第2列の管は速度エネルギーを受け,すきまが最小となる直前で絞り効果により圧力が高くなり,最小すきまの後で再び低下して出口圧力に漸近する. 2.1列管群中の1本の管が流れ直角方向に微少振動したときの流体力を計算して,田中の実験結果と比較したところほぼ一致することが分かった.これより管群間の流れにすきま流れの理論を適用することの妥当性が確認された. 3.安定解析を行った結果,流速の低いところでは負減衰に支配される振動モードが不安定になるが,流速が高くなるとふれ回りモードの不安定が生じることが分かった.後者は復原項に含まれる流速の自乗に比例する流体力によって生じてくるもので,安定限界流速は質量減衰パラメータの平方根に比例するようになる。 4.特定の流速範囲で,管群によってダクト内主流方向の気柱共鳴音が発生することが分かった.
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