研究課題/領域番号 |
07455143
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
金藤 敬一 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (70124766)
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研究分担者 |
高嶋 授 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (10226772)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 人工筋肉 / アクチュエータ / 導電性高分子 / 電解伸縮 / ポリアニリン / 自己ドープポリアニリン / 電気化学 / しょうのうスルホン酸 / 酸化・還元 |
研究概要 |
本研究の目的は、導電性高分子の電気化学的酸化・還元により伸縮する機能(電解伸縮)のメカニズム解明とアクチュエータへの応用の基礎的知見を得ることである。 平成7年度には導電性高分子ポリアニリン膜の様々な陰イオンの酸性水溶液中で、電解伸縮率、応答および発生力を定量的に測定した。その結果、電解伸縮の主なメカニズムは、(1)嵩高いイオンの出入りによる伸縮、(2)酸化によるπ電子の非局在化が引き起こす分子の形態変化(コイル⇔ロッド変化)、(3)酸化によるポリカチオン間の静電反発、などであることが分かった。これらのメカニズムの中で、(1)が主な要因であるが(2)および(3)の機構もある程度関与していることを明らかにした。 平成8年度では、これらのメカニズムの中で(2)、(3)の寄与を調べるために、ポリアニリンの自己ドープおよび巨大陰イオンを用いた電解伸縮の研究を行ない、それらが寄与することを明らかにした。以下に平成8年度の結果を要約する。 自己ド-ピングの機能を持つスルホン化ポリアニリンを作成し、サイクリックボルタモグラムと電解伸縮挙動を調べた。その結果、酸化過程ではπ電子の非局在化によって一旦伸長するが、酸化の最終段ではプロトンの排出とスルホン基の周りにアニリン鎖が取り囲み凝集状態を作り最も収縮した状態になることが判った。 電位走査法により巨大陰イオンのCSAを電解重合によりドープしたポリアニリンは酸化・還元過程でCSAがそれぞれ脱注入され、陰イオンによる通常の伸縮挙動が発現していることが判った。一方、定電流法によりCSAを用いて電解重合したポリアニリンはCSAが捕獲された状態で、第一酸化過程ではプロトンの放出による収縮は(2)および(3)の機構によって相殺され、むしろ僅かに伸長することが判った。
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