研究課題/領域番号 |
07455149
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
安藤 隆男 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (80091156)
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研究分担者 |
澤田 和明 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (40235461)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 水素化アモルファスシリコン / アバランシェ増倍 / ジェミネート再結合 / pinフォトダイオード / 撮像素子 / フィールドエミッタ / 傾斜超格子 / アモルファスシリコン光導電膜 / 傾斜超格子構造 / アバランシェノイズ / 光応答 / ダイアモンド状カーボン |
研究概要 |
アバランシェ増倍が可能なa-Si : H光導電膜とSiフィールドエミッタアレイを組み合わせて超高感度な撮像素子を実現するために必要な要素技術について検討した。得られた主要な成果は、 1.a-Si : H膜での光電流増倍機構は高電界で加速された電子の衝突イオン化によるアバランシェ増倍にる。増倍利得は、高温度動作ではキャリア散乱、低温度動作ではジェミネート再結合で律速される。また、この2つの律速過程の境界は堆積状態で決まるa-Si : H膜の膜質によって変化する。2.n型単結晶シリコン基板上に堆積されたa-Si : H pinフォトダイオードの暗電流の発生要因は、低電界側では単結晶シリコン基板とその上に堆積したa-Si : Hのi層との界面に存在する界面準位を介した発生電流が支配的で、高電界の下ではi層の禁制帯内に存在するトラップ準位を介してトンネルするトンネル電流が支配的である。この結果、a-Si : H膜に充分大きな電界を印加するためには、高品質の膜を得る堆積条件を確立することが必要となる。3.伝導帯に1段のエネルギー段差ΔE_cをもつ(p)a-SiC : H/(i)a-Si_<1-x>C : H/(n)単結晶Siフォトダイオード膜を試作し、ΔE_cが0.4eV以上ではこのバンドオフセット領域で電子のインパクトイオン化が生じ、光電流が2倍に増倍されることを確かめた。さらに、i層内に3段のa-Si- : H/a-Si_<1-x>C_x : Hの傾斜超格子構造を持つ素子を試作し、ΔE_c=0.45eVで最大6.4倍の光電流増倍を観測し、この電流増倍が主に伝導帯のバンドオフセット領域で生じていることを示した。また、電子がこの領域でイオン化を起こすのに必要な伝導帯のエネルギー段差ΔE_cに闘値が存在することを示した。4.新しい堆積ボルカノ構造のフィールドエミッタを試作し、直径5μmの円周先端から最大750nAの放出電子電流を確認した。この結果は撮像素子の駆動電流としてほぼ満足できる値である。また、放出電子ビームの集束機構についてコンピュータシミュレイションを行い、ほぼ平行ビームが得られる集束電極の形状並びに位置が存在することを確かめた。今後はこの光導電膜とフィールドエミッタとを組み合わせた超高感度撮像素子のデバイス化を進める。
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