研究課題/領域番号 |
07455153
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
情報通信工学
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
白石 和男 宇都宮大学, 工学部, 教授 (90134056)
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研究分担者 |
松村 和仁 宇都宮大学, 工学部, 教授 (70005297)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1996年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1995年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | 斜め蒸着 / 偏光子 / 偏光分離素子 / ポーラスシリコン / 充填率 / 光通信 / コラム / 真空蒸着 / 偏光分離 / 配向膜 / 針状誘電体 |
研究概要 |
本研究では、斜めに配向した針状微小誘電体から成る、広開口かつ高い偏光分離性能を有する人工異方性光学厚膜の作製法の探究を目的とした。高誘電率かつ光通信用波長域で透明な材料としてシリコンを選んだ。この針状斜め配向膜が実現すれば,理論的には自然界に存在するルチルや方解石などを用いた場合に比べて5倍以上の偏光分離性能が期待できる。初年度は最適な斜め堆積法の探求のため、高周波スパっタおよび真空蒸着による2つの方法を並行して実験を進めた。本年度は電子ビーム蒸着と化学エッチングの組み合わせによる新しい作製法を中心にして研究を進めた。その結果、ルチルや方解石などの偏光分離性能の約2倍の特性を有する人工光学異方性媒質を実現することができた。主な成果は以下のとおりである。1.高周波スパッタ法において基板を液体窒素温度とし、ターゲットに対して斜めに配置して成膜すると、斜めに配向したシリコンの微細構造が形成される。しかし膜自体は比較的密であり、光学的な異方性は小さく、偏光分離特性を示さないことが判明した。2.電子ビーム蒸着法を利用した斜め蒸着法において、蒸着中にアルゴンガスを導入して0.2mtorrの高ガス圧下で成膜されたシリコン膜が比較的疎な構造をしていることを明らかにした。さらに、これをフッ硝酸でエッチングすることにより、斜め配向した微小な針状シリコンの膜にできることを見いだした。この膜の偏光分離特性を波長1.55μmのレーザ光で測定した結果、10度の偏光分離性能を得た。これは現在使用されている偏光分離素子の約2倍の性能である。この新しい作製法により、さらに高性能な厚膜の実現の可能性が開かれた。
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