| 研究概要 |
1.質問応答型個人認証方式の評価
主体の認証方式として,のぞき見に対する耐性がパスワードを利用する方式よりも高く,なおかつソフトウェアだけで実現可能な質問応答型直接個人認証方式を取り上げ,そののぞき見回数に対する耐性の変化を評価した.結果として,のぞき見に対する耐性を高めるには,基本的に秘密情報の属する集合のサイズを大きくする必要があることを導いた.しかし,人間の記憶力には限界があるため,その集合のサイズにも限界があり,この方式単体ではのぞき見に対する耐性に限界があることも明らかにした.
2.視覚復号型秘密分散方式の個人認証への応用
1.で明らかとなった問題点を解決するため,視覚復号型秘密分散方式を可視空間を制限するためのツールとして使用し,それを用いて質問応答型直接個人認証方式の質問パターンを表示することを提案した.この方法を用いれば質問を証明者のみに伝えることができるため,のぞき見に対する耐性を格段に向上させることができる.また,視覚復号型秘密分散方式はOHPシートと表示装置さえあれば簡単に実現できるため,新たに掛かる経費はごくわずかである.
3.客体の認証およびアクセス制御
客体の認証およびアクセス制御に関して,暗号化やKPSを応用したシステムをいくつか提案し,既存の方式との比較を行った.提案した方式は,Firewallなどを用いる方式と異なり,システムを囲むことなくアクセス制御を強化することができるため,オープンな環境に適している.また,同時に客体の認証も行うことができるという利点も持っている.
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