配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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研究概要 |
近年,アナログ回路設計者の不足が深刻な問題となっている.この問題を解決する極めて有効なアプローチが計算機を用いたアナログ回路の自動合成であると考えられている。このような背景から,本研究では,アナログ回路で必要となる様々機能を含むフィルタの自動合成手法について特に研究を行っている.アナログフィルタの中でも積分器構成フィルタは,その有用性が高く,将来的にも有望なフィルタ設計手法である.本研究では,どのような積分器を用いてもフィルタ設計が行えるように、積分器を限定せずに,高い性能を有するフィルタ構造を導出する手法を主として提案している.本研究で得られた主たる成果として,低群遅延感度を有するフィルタ構造の導出手法,入力換算雑音の小さいフィルタ構造の導出手法,積分器の非理想成分の影響を受けにくいフィルタ構造の導出手法がある.また,フィルタ内でしばしば用いられる自己帰還路を有する積分器の設計手法を適切に選択することによりフィルタ全体の特性を改善する手法も提案している.その他,システムレベルシミュレータの開発,ボルテージホロワなどの高性能アナログ基本回路の開発などにも取り組んでいる. 以上を要するに,本研究では,計算機によるアナログ回路の自動合成を目標とし,アナログ回路で必要となる各種の機能を含むフィルタを例題に,高性能化のための手法を提案し,得られた主な成果は,容易に計算機上に実現でき,この結果,フィルタの自動合成については,ほぼ問題が解決したと考えられる.最終目標である.各種アナログ回路の自動合成に関しては,十分な成果が得られなかったが,フィルタはアナログ回路で必要となる機能の多くを含むため,本研究で得られた成果を他のアナログ回路にも直接応用できる場合が多い,これについては今後の課題である.
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