研究課題/領域番号 |
07455186
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造工学・地震工学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中井 博 大阪市立大学, 工学部, 教授 (00047052)
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研究分担者 |
中西 克佳 大阪市立大学, 工学部, 助手 (70227833)
北田 俊行 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (30029334)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | 合成柱 / 橋脚 / 部分充填 / 耐荷力 / 変形性能 / 静的繰返し変位載荷実験 / 漸増繰返し変位載荷実験 / ハイブリッド実験 |
研究概要 |
本研究により得られた主な成果をまとめると、それらは、以下のとおりである。 1)幅厚比パラメーターR=0.7の補剛箱形断面を有する部分合成柱の実験供試体は、同断面でコンクリートを充填しない鋼製柱の実験供試体の約1.2倍の耐荷力、および約1.9倍の変形性能を有していた。さらに、履歴エネルギー吸収量は、約2.7倍となっていた。 2)繰返し変位を受ける橋脚柱の強度劣化は、局部座屈の発生段階と亀裂の発生段階とで顕著になることを明らかにした。 3)コンクリート充填高さは、作用曲げモーメントと抵抗曲げモーメントとにもとづいて決定するのがよい。 4)縦補剛材の局部座屈が充填コンクリートによって防止されるため、コンクリート充填形式の合成柱の断面には、強度、および変形性能を高めるために、補剛板を用いるのが望ましい。 5)神戸海洋気象台で記録された兵庫県南部地震レベルの直下型の地震に対し、構成板パネルの幅厚比パラメータR=0.70の鋼製柱は、大きな損傷を受ける。しかし、R=0.35の鋼製柱、および合成柱は、柱としての機能を失うような大きな損傷を受けないことを明らかにした。 6)コンクリート充填量がL/4のR=0.70の実験供試体は、一定方向の著しい外力に対して、鋼断面部で局部座屈が先行する可能性がある。そうした場合、本来の合成柱としての効果が、期待できなくなる。 7)各実験供試体の地震時最大応答加速度は、最大入力地震加速度の約1.3倍となっていた. 8)R=0.70の橋脚柱は、繰返し回数の少ない時期に断面コーナー部で部材軸方向の亀裂が生じ、著しく耐荷力が低下する。一方、R=0.35の橋脚柱は、補剛材の増加によって柱自体の強度が向上し、柱基部に大きな負担がかかるため、その部分の溶接部に横断面方向の亀裂が入ることがわかった。したがって、これらの溶接部は、強度はもちろん良好な変形性能を発揮するように設計・施工することが必要である。 9)R=0.35の橋脚柱は、兵庫県南部地震のような巨大地震荷重によって、耐荷力、および変形性能があまり低下しないことを明らかにした。 10)道路橋示方書に示されている直下型地震に対する基準は、かなり安全側の設計になり過ぎる場合もあることを示した。
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