研究概要 |
しゃ水シート材料の評価方法には,物理的および化学的特性把握試験,耐久性や耐候性試験などがある。我々の研究は,シート破損の検知技術の実用化に始まって,ジオメンブレンの力学特性試験,特に貫入抵抗特性および耐衝撃性について纒めを行った。初年度(1995年)には,基本的な力学特性を中心とした試験を実施し,その試験方法,シートの素材の違いによる試験法の影響などについて検討した。その内容は引張特性,貫入抵抗特性,耐衝撃性,シートと保護材との摩擦抵抗特性と疲労抵抗特性を主とした。初年度(1995年),次年度(1996年)には具体的に,某市のシート選定に当たり,その評価試験として引張試験を始めとして15項目で5種類のシート実験を行い,シートの評価手法を“15項目の試験による評価",“強度のみの評価",“強度および伸びでの評価",“各試験における最大値を基準にした評価"等の方法を用いて色々なシートの評価を試みた。この他1996年には,埋立廃棄物の力学特性と埋立構造物の安定性として,自然斜面,しゃ水工と廃棄物により構成される埋立地構造物について,廃棄物による荷重の伝達や安定性について地盤工学的な見地に立って実験的に検討を行った。 これら2年間の研究結果から,本研究で開発したシート破損抵抗力機を用いて貫通抵抗力を始めとする試験方法の開発が行われた。また,これらの試験法を基礎として1996年度にはより多くの評価方法が提案され,それらを用いて各種しゃ水材の特性を相対比較する手法が開発された。これら相対比較の手法は,某市のシート選定に用いられた。この他,地盤工学的にみて,焼却灰埋立による埋立構造物に与える力学的影響が具体的に示されるようになった。この研究の目的であるしゃ水シートの評価法の国としての採用は,これらの報告の中からいくつかが選定されるであろう。
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