研究概要 |
TiAl化合物をH_2中でMGするとTiH_2+残相に分解した、つまりHD(Hydrogenation-Disproportionation)が起こった。この粉末を昇温するとTiH_2の分解によって生じたTiと残相とが発熱的に再合金化してナノ結晶のTiAl粉末が得られた、つまりDR(Dehydrogenation-Realloying)が起こった。このTiAl粉末は高活性で,873Kで、1.5GPaの応力を900s間負荷し、応力を除去してからさらに630ks間保持すると,ほぼ真密度のナノ結晶TiAlバルク材が得られた。従来より約300K低い温度で固化成形した。作製したままの試料は残留水素等の影響によりほとんど延性を示さなかった。1100Kで1時間、真空熱処理するとナノ組織を保持したままで、圧縮変形が可能となった。また、HD粉末を炭素鋼製の缶にセットし、真空に引きつつ加熱して、DRを起こさせ,缶に封入した。この試料をホットプレスし,得られたバルク材の諸性質を測定・評価した。同様に、Ti-48Al,Ti-48Al-2V,Ti-48Al-2Cr,Ti48Al-2Mn等を水素中ミリングを利用したHDDRとホットプレスを組合わせた方法によりナノ結晶バルク材を作製し、その相対密度、微視的組織、および機械的性質(圧縮試験、硬度)を測定・評価した。本研究の結果、HDDRとホットプレスの組み合わせがTi基金属間化合物の組織の微細化とそれによる機械的性質の改善に有効な新規の方法であることが実証された。
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