研究課題/領域番号 |
07455279
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
森永 正彦 名古屋大学, 工学部, 教授 (50126950)
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研究分担者 |
古井 光明 名古屋大学, 工学部, 助手 (90262972)
村田 純教 名古屋大学, 工学部, 助教授 (10144213)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | 金属材料 / 機械的性質 / 表面 / BCC金属 / 分子軌道計算 |
研究概要 |
材料の強度特性が試験環境のような外部的な要因により、左右されることが最近わかってきている。このことは、これまでの材料強度の測定値は見かけの性質である場合が多いことを示唆している。本研究の目的は理想的な環境の下で、真の材料強度を測定し、環境脆化の問題を実験的および理論的に解明することにある。このため我々が作製した「試料表面清浄用イオン銃付き超高真空雰囲気引張り試験機」を使って、純金属のCr、Mo、Ti、Ni、Al、およびTi-6%Al-4%V合金、Fe-3%Si合金の強度特性を調べた。特に、純Ni、純Al、Fe-3mass%Si合金の[001]方位の単結晶について、電解研磨後Arスパッタを行った試料と、高温大気中で表面に酸化物を生成させた試料の強度特性の比較を行った。さらに、DV-Xα分子軌道計算を行い、Cr中の水素、酸素、窒素、炭素、ボロン原子の電子状態を計算した。これらの研究より、以下の結果が得られた。 1、酸化物をはじめとする試料表面の状態や試験環境が高温金属材料の強度特性に影響を及ぼすことがわかった。すなわち、超高真空下で引っ張り試験をした結果、いずれの材料においても、その0.2%耐力は表面を清浄にしたとき増加した。この傾向は引張り強度(最大応力値)においてより顕著であった。 2、炭素やボロンなどはクロムと強い化学結合を形成し、高温金属素材の強度特性を左右する重要な元素であることが示唆された。 本研究により、試料表面の酸化物は明らかに材料強度に影響を及ぼすことが分かった。今後、Arスパッタの試料の表面状態への影響についても詳しく検討していくことにより、材料の強度特性が明らかになるものと考えられる。
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