研究課題/領域番号 |
07455282
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
馬越 佑吉 大阪大学, 工学部, 教授 (00029216)
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研究分担者 |
中野 貴由 大阪大学, 工学部, 助手 (30243182)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 疲労 / 金属間化合物 / 破壊 / 強度 / TiAl / 変形 / 転位 / 耐熱材料 |
研究概要 |
TiAlの疲労特性を微視的立場と巨視的立場から据え、疲労変形ならびに破壊機構の解明とその特性改善のための方策について調べた。TiAl PST結晶を作成し、応力軸と層界面のなす角中が0°と45°の試料について-196°C〜700°Cの温度領域で疲労試験を行った。Φ=45°の場合はいずれの温度においても大きい疲労硬化を示すことなく破壊に到った。一方、Φ=0°の場合は変形初期から著しく疲労硬化する。その疲労変形微細組織はγ相中に存在するドメインの種類に強く依存した。Tタイプドメインでは変形初期に双晶が発生し、この双晶領域に対応して試料表面に大きい起伏を発生し、この起伏は疲労変形の進行と共に発達する。一方、Vタイプドメインでは高密度に転位が集積したベイン組織を形成した。この高密度の転位組織が著しい疲労硬化の主因である。また、Vタイプドメイン内に双晶が形成されると普通転位の運動が阻害され、交番変形の際の転位運動による歪エネルギーは急速に低下する。このように双晶の発生と疲労とは密接に関係し、双晶の発生が活発化すると表面起伏部分での応力集中により疲労亀裂が誘発され疲労寿命は低下する。このような双晶の発生は400°C以上の変形では現れず、そのため高温では疲労硬化はあまり示さなくなり疲労寿命の低下も起こらない。しかし、600°Cになると変形中の動的回復により疲労軟化が著しくなり、また、局部的な変形の進行、いわゆるネッキングにより疲労寿命は急速に低下する。亀裂発生が双晶の発生と関係しているため、この双晶形成頻度の低減が疲労寿命の改善につながる。V添加は積層欠陥エネルギーを下げ双晶発生を容易にするが一方Nb添加は逆に積層欠陥エネルギーを上昇させ双晶の発生を抑制する。事実、これと連動する形でV添加により疲労寿命が著しく改善された。
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