研究概要 |
本研究は,超微細接合において重要な高精度位置決め視覚の検討と接合中のプロセスコントロールについて検討したものである.以下に本研究で得られた要点をまとめて示す. 1.視野分離撮像法による高精度視覚計測 本研究では,谷型プリズムをレンズ前面に装着し,異なった領域を1台のTVカメラで撮像可能な視野分離撮像法を提唱し,基準点から離れた箇所の計測点を高精度に計測できることを示した. 2.輝度分散値を用いた微細接合部のパターンマッチング 輝度分散値はノイズに対して安定で,濃淡変化情報を反映した出力が得られるため,濃淡変化に対する多くの変動要因を含む微視野画像に対して高速・高精度で安定な結果が得られるパターンマッチング法の評価関数として有効である.特に,輝度分散値V_1を二次分散値V_2で除した評価値V_3は輝度レベルの変化に対して安定で,処理領域サイズ9×9以上で算出したV_3値を評価値として用いることによって画素オーダーの精度でマッチングが可能であることを立証した. 3.判別分析二値化法によるマイクロ接合部領域の自動検出 本研究で提案した二値化手法は,二値化したレベルで分けられる2つの領域における画素の生起確率分布に基づくものてある.本手法で,同一対象物に対し,照明状態の異なる画像を対象に適用した結果,二値化により得られた領域のサイズは画素オーダーの精度で安定に検出され,二値化による検出対象領域の抽出に有効であることを示した. 4.シングルポイントTAB接合における加圧履歴制御による低温低変形接合 低温接合を目的として微細接合によく用いられる超音波併用熱圧着において,接合中の変動挙動を明確にし,接合中の加圧履歴を制御することで低変形(10%以下の変形率)で高強度(リ-ド破断を呈する強度)な接合部が容易に得られることを示した.
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