配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
|
研究概要 |
本研究は,高出力マイクロ波誘導プラズマ(以下「MIP」と略記)を励起光源として用いる発光分光分析システムの構築とその応用を目指したもので,3年間で得られた研究の成果は下記の通りである. 1.高出力マイクロ波誘導プラズマ:高出力MIPを組み込んだMIP発光分光分析装置は市販されていないので,最初に共鳴キャビティーを入手し,さらにコンピューター制御された分光測光部を購入して多元素分析も可能な高出力窒素MIP発光分光分析システムを設計,試作した. 2.高出力窒素MIP発光分光分析システム:本研究で得られた高出力窒素MIP中には資料溶液を噴霧し,連続的に直接導入できることを確認した.また,水素化物生成法を併用できるように装置の改良を行った. 3.溶液噴霧法を用いる高出力窒素MIP発光分光分析による各元素の分析特性:通常の溶液噴霧法を用いて,まず,このプラズマのバックグラウンド発光スペクトルを調べた結果,OH,NH,N_2^+及びNOの分子発光スペクトルが観測された.さらに,個々の元素(33元素84本の発光スペクトル線)について分析特性を検討した. 4.水素化物生成-高出力窒素MIP発光分光分析:プラズマ中に,水素化物生成反応によって発生した各元素の水素化物を連続的に導入するヒ素,アンチモンおよびセレンの高感度定量法の確立を行った.また,本法を海藻(国立環境研究所共同分析),銅地金,鉄鋼分析等に応用し,十分に満足すべき結果を得ることができた. 5.将来への展望:本研究で開発した高出力MIP発光分光分析システムは,今後,実用面での検討がさらに必要であり,他の分析法との組み合わせによって,化学種分析などへの応用なども展開されるであろう.さらに,超音波噴霧法,電気加熱気化法,スラリー導入法,レーザーアプレーション法,スパーク法,アーク法,グロー放電法等々の各種の試料導入法を適用し,研究を幅広く展開することによって新しい分野が開拓されるものと確信する.
|