研究課題/領域番号 |
07455349
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機工業化学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
神谷 寛一 三重大学, 工学部, 教授 (00024597)
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研究分担者 |
橋本 忠範 三重大学, 工学部, 助手 (10271016)
那須 弘行 三重大学, 工学部, 助教授 (20189179)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | ゾル-ゲル法 / ゲルマン酸塩ガラス / チタン酸塩ガラス / カチオンの配位数 / X線動径分布解析 / EXAFS / アルミナゲル / ジルコンゲル / 低温ガラス合成 / BaO-TiO_2ガラス / PbO-GeO_2ガラス / ケイ素グリコラト錯体 / 非晶質アルミナゲル / ア・ミナゲルの低温α化 / 5配位ケイ素 / サルファイドガラス / 光学非線系性 / アルナミゲル |
研究概要 |
従来の溶融法ではガラス化できない組成のもの、及びカチオンの配位構造が異なるもの(具体的には高配位状態のものを多く含むもの)を、ゲル-ゾル法が低温合成法であるという利点を生かして、ガラス化する実験を実施し、以下に示す多くの新しい組成や構造を持つガラスを作製する条件を確立することができた。 (1)ゲルマン酸塩ガラス;ナトリウムゲルマン酸塩及び鉛ゲルマン酸塩ガラスを作り、それらの構造、特にゲルマニウムの配位状態をX線動径分布解析法、X線吸収スペクトル法、IR、ラマン分光等の方法を駆使して調べた結果、いずれの組成でも、6配位Geの割合は溶融法のものに比べて約2倍大きいことが分かり、確かに低温で合成すれば、カチオンは高配位状態のままガラス中に凍結できることが分かった。 (2)チタン酸塩ガラス;溶融法では調製できないNa_2O-TiO_2、BaO-TiO_2組成物をガラス化することができた。それらのガラス中では、5又は6配位Tiが優勢であり、またTiO_n多面体は、今までに報告されているものと比べると、非常に歪んだものであり、新しい非線形光学材料になり得るものである事が分かった。TiO_2を多量に含有するPb0-TiO_2、Nb_2O_5-Tio_2,Bi_2O_3-TiO_2ガラス又はガラス薄膜も同様にして得られ、これらが10^<-12>esuという大きな三次の光学非線形性を持つことが明らかになった。 (3)5配位Siを含むガラス作製の可能性;5配位Siを含むアルカリグリコラト錯体の熱分解によって、常圧で5配位Siを含むアルカリケイ酸塩ガラスが生成するか否かを調べた。リチウムシリケートについては、溶融法で作られるものとほとんど同じ構造しか得られなかったが、カリウムシリケートでは原料中の5配位Siはガラス中でも一部はその状態を維持していると考えられた。 (4)得意な結晶化挙動を示すアルミナゲル、ジルコンゲル;アルミニウムのアルコキシドの加水分解によって得られるゲルは、通常γ-アルミナを経て、1100°C以上でα化するが、加水分解条件を注意深く設定することにより、500°Cで一部α化するアルミナゲルを得ることができた。またリチウム化合物を添加したZrとSiのアルコキシドの混合物からは、800°C付近で80〜90%ジルコンに変化するゲルを作ることができた。 以上の結果は、ゾル-ゲル法が確かに新しい構造、ひいては物性を持つガラスやゲルの作製には非常に適したものである事を改めて認識させるものである。
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