研究課題/領域番号 |
07455352
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
二木 鋭雄 東京大学, 先端科学技術センター, 教授 (20011033)
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研究分担者 |
野口 範子 東京大学, 先端科学技術センター, 助手 (40198578)
山本 順寛 東京大学, 先端科学技術センター, 助教授 (60134475)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 抗酸化物 / 脂質酸化 / フリーラジカル / 酸素毒性 / セレン / 過酸化物 / エプセレン / エブセレン |
研究概要 |
近年、ヒトの生体においても、プラスチック、ゴム、油脂と同様にラジカル連鎖的酸化反応が進行し、それが種々の疾病、発癌、さらには老化にもつながることが次第に明らかになり、それに伴ないよりすぐれた酸化防止剤の開発が要望されている。本研究はこのような背景を考慮して、新規セレン含有化合物であるエプセレンおよび他の関連化合物の抗酸化機序、活性を明らかにすることを目的とする。エブセレンにラジカル捕捉能がないことを以前明らかにしたが、種々の系においてペルオキシルラジカルの捕捉能が小さく、ラジカル捕捉型抗酸化物としての作用はないことを確認した。ビタミンEとの相互作用については、ビタミンEラジカルを還元しないこと、ビタミンEの消費を抑制することのないことを確認した。リポキシゲナーゼによる酸化反応も近年注目されている。特に低比重リポ蛋白質(LDL)の酸化変性は粥状動脈硬化の引き金として注目されているが、エプセレンがリポキシゲナーゼによるLDLの酸化をほぼ完全に抑えることを見出した。これはLDLに含まれる微量のヒドロペルオキシドを還元することにより、リポキシゲナーゼの活性化を抑えることによると考えられる。さらに、エプセレンは一酸化窒素由来のペルオキシナイトライトによるリポソーム膜、赤血球膜の酸化に対しても強い抗酸化能を示すことを認めた。以上のように、含有セレンの小分子であるエプセレンは、金属やペルオキシナイトライトによる種々の系の酸化反応に対して強い抗酸化効果を示すことが分かった。
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