研究課題/領域番号 |
07455362
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
宇高 正徳 岡山大学, 工学部, 教授 (30033153)
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研究分担者 |
坪井 貞夫 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (00032954)
依馬 正 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (20263626)
酒井 貴志 岡山大学, 工学部, 助教授 (00170556)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | パン酵母 / 還元酵素 / 不斉還元 / 生体触媒 / リパーゼ / 光学活性 / 光学分割 |
研究概要 |
1.多官能性キラル合成素子の高立体選択的合成 パン酵母無細胞抽出液から4段階のクロマトグラフィーにより1-クロロ-2-ヘキサノンに還元活性を示す酵素を単離精製し、それを用いて種々の多官能性ケトンを還元したところ、高光学純度で還元生成物が得られた。 リパーゼ触媒エステル交換反応により種々のキラル合成中間体の速度論的光学分割を行ったところ、高いエナンチオ選択性で分割できた。 2.エナンチオ選択性の人為的向上 1-クロロ-2,4-アルカンジオンのパン酵母還元において、偶然、微量の有機溶媒が特定の酵素を阻害し立体選択性を変化させることを見いだした。有機溶媒と阻害剤と熱処理を併用することにより、6%eeを94%eeまで向上できた。 有機溶媒中におけるリパーゼ触媒エステル化反応においては、系中でアシル-酵素中間体が生成するので、アシル化試薬のアシル基の構造を変えれば中間体の構造も変化し、エナンチオ選択性が変化すると期待される。2-置換シクロペンテノールについて試したところ、E値が大きく変化した。 リパーゼ触媒エステル交換反応を室温から-60℃の温度範囲で行ったところ、温度を下げるにつれてエナンチオ選択性が向上する事実を見いだした。このような極低温下での酵素反応は前例のない新規なものである。lnEを1/Tに対してプロットすると-40℃までは直線関係が得られた。直線部分からは理論式によりΔΔH^‡とΔΔS^‡を算出できた。 3.エナンチオ選択性の発現機構 種々のリパーゼの2級アルコールに対するアシル化反応を速度論的に解析した結果、基質結合段階における分子認識は重要ではなく、遷移状態において不斉識別が行われている事実を見い出した。遷移状態の性質を立体電子理論の立場から考察し、分子軌道計算を行った。リパーゼの結晶構造を用いた分子モデリングを行った。リパーゼのエナンチオ選択性の起源を説明できる「遷移状態モデル」を提唱した。
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